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ソ・ジンギョ（対外経済政策研究院・研究委員）
李明博大統領が中南米4カ国を歴訪して27日に帰国した。メキシコとブラジル訪問は、G20首脳会議と国連のUN持続可能な開発サミット（Rio+20）に出席することが目的だった。一方、チリ、コロンビア訪問は、相手国首脳の招待に応えたものだ。 李明博大統領はG20首脳会議で「世界経済が厳しいときほど、発展途上国の経済成長が世界経済回復の重要な原動力になることができる」と言及しながら、「発展途上国開発のために発展途上国自身はもちろん、民間分野とのパートナーシップ、そして、他の国際的な開発共同努力との連携が強化されるべきだ」と強調した。 さて、今回の大統領の中南米4カ国訪問で私たちが見逃しやすく、注目すべきポイントがある。まず、グローバル・グリーン成長研究所（GGGI）が正式に国際機関となった点だ。GGGIは去る2010年6月、特に発展途上国のグリーン成長実現に向けた戦略策定を支援するために、韓国が主導して構成された民間シンクタンクだ。 このGGGIが、今回のRio+20サミットを契機に、国際機関に転換されたのだ。民間機関として誕生してから、わずか2年で国際機関に転換された例は、世界外交史上でもまれで、韓国の外交力の成果と言える。同時に今や韓国もグリーン成長分野に限っては、世界的なルールーメーカーとしての位置づけを確立したことを強調したい。ソウルに本部を置くGGGIは、韓国が主導して設立される最初の国際機関として、今後グリーン成長と発展途上国の開発支援のために国際協力によって世界をリードしていくものと期待されるからだ。 李明博大統領が今回のRio+20サミットで、来年から2020年までに途上国を支援する「グリーン成長・政府開発援助（GreenODA）」を50億ドル以上に拡大すると述べたことは、開発協力とグリーン成長分野において、韓国には大きな自信があったからだ。 これは昨年末に南アフリカ・ダーバンの気候変動会議で設立に合意した「緑の気候基金」（GCF：GreenClimateFund）を韓国に誘致すれば、グリーン成長で大韓民国は名実共に世界的な研究と議論をリードする中心国になるだろう。 2番目はチリとの2段階FTA交渉が始まるという点だ。チリとのFTAは2004年4月に発効され、8年が過ぎた。韓・チリFTAは、特恵関税の活用率が90％に肉迫しており、世界的にも模範的なFTAのひとつだ。今や韓・チリFTAの範囲を商品中心から教育、文化、鉱山、再生可能エネルギー分野に拡大する2段階交渉が開始されるだろう。特にチリは、2020年までに発電量の20％を再生可能エネルギーに変える計画を持っており、再生可能エネルギーの産業化を追求している韓国に2段階交渉が持つ意味は格別だ。 最後に、今回の大統領中南米4カ国訪問で最も大きな意味は、コロンビア訪問だ。コロンビアは中南米唯一の6.25戦争参戦国である。韓国大統領として初めてコロンビアを訪問し、参戦記念塔に献花をし、退役軍人とその家族たちと会い、韓国国民を代表して感謝の意を伝えた。 韓国のために尊い命を捧げたコロンビア勇士らに感謝の気持ちを伝えることは当然のことだ。恩恵を受けたら感謝の気持ちを伝えるのが道理だ。今回の中南米4カ国歴訪にコロンビアが含まれているのは、FTA交渉という経済的な理由もあったが、それよりも6.25韓国戦争の参戦国を訪ねるべき、との道理も大きく作用したという。 今回の大統領中南米4カ国歴訪によって、韓国企業の中南米進出の基盤を確実に整えたことも成果だが、国際社会で私たちの義務と役割を果たす、成熟した大韓民国の姿を見せたことに、大きな意味を痛感した。 (2012.6.28)
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