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ポスト金正日"時代と2012年総選挙、大統領選挙
李慶衡（元ソウル新聞編集局長） 今、北の「ポスト金正日体制」による北風が吹いてくるかもしれない。北風対策の責任は２大選挙を管理すべき現政権にある。 2012年、北韓はもちろん、韓半島周辺国は、金正日総書記の突然の死亡という突発変数を迎えることとなった。韓国と米国、そして中国、ロシアは来年の大統領選挙など、権力継承や政権交代の局面に入る。 権力交代期は常に流動的だ。この時期に突発変数が起きたことで、状況はさらに複雑さを増すことになる。 北韓は金正恩の3代権力世襲を急速に進めなければならない状況だ。中国や米国も、韓半島の安定と平和に焦点を当てている。中国は政治局常務委員9人全員が北京駐在北韓大使館を弔問するなど、最高の弔問外交を展開した。 米国も金正日の死亡発表した19日のニューヨークチャンネルを通じて、対北栄養支援問題などを議論した。韓国政府も、政府次元の弔問団は見送ったが、北韓住民を慰める形式の間接的な弔意を表わし、李姫鎬夫人と玄貞恩現代グループ会長の訪朝弔問を許容し、公式的な立場を整理した。 今後、北韓、金正恩北体制が正常に捗っていくかは流動的だ。新体制が定着するまでには時間を要し、すべての支配力を北韓内部安定に注がねばならない。北の「ポスト金正日時代」は、生前の金正日の統治時よりも、意思決定経路が長くなる。これは、意思決定が遅くなるという意味だ。 金正日委員長は、彼と面談した多くの人々が証言するように「できる」「できない」または「可能だ」「難しい」と即答する、まさに最高の意思決定者だった。このように、気の利いた問答ですべての国事に答える人物は、当分間、北韓で捜すことはできない。 ◆南北関係、平和的に管理する責任 このような「ポスト金正日」時代の北を相手にした、外交・政治的交渉は難しくなる。 最近、北韓と米国は、ウラン濃縮プログラムの暫定的に中止し、対北食糧支援を進める問題で3回目の対話を行う予定だったが、金正日の死亡によって一端、延期された。さらに、持続的な食糧支援と、追加の核実験とミサイル発射の停止、国際的な核査察受け入れなどを条件に、遅くても来年3月の核安全保障サミット前までには6者会談を再開という計画で、意見の接近を見せたという。しかし、このような核問題の解決など、北韓の「大きな決断」を期待することは当分間、難しいと言えるだろう。 韓国は、来年4月の総選挙と12月の大統領選挙が待っている。北の突然の権力変換だけならず、ハンナラ党政権継続か、野党への政権交代なのかが決まる。李明博政府の最後の1年である2012年に、南北関係の画期的なイベントは北韓内部の体制整備のため困難と見て良い。そうだとしても李明博政府は南北関係を平和的に管理する責務を負わなければならない。 来年の選挙政局は、内部的には最大の課題として福祉問題にな可能性が高い。しかし、金正日死亡の突発変数は、選挙政局に韓半島の平和定着方案の議論だけでなく、左右の理念の南南葛藤まで引き起こす可能性も高い。 1994年、金日成主席死亡当時、弔問問題によって南南葛藤が誘発された前例もあり憂慮される。政府は、民間団体の訪朝弔問は許容せず、ただ弔電発送は許可する方針だ。しかし、6.15共同宣言実践南側委員会所属団体などは、進歩団体の共同弔問団の構成を推進しており、政府との摩擦する可能性がある。 ◆政府、対北人道支援の再開を 過去、選挙になれば「北風」が問題となった。有権者の安保心理を刺激して、選挙結果に影響を及ぼすことが計算されたからだ。今は本当に北の「ポスト金正日体制」からの北風が吹いてくるかも知れない。このような北風遮断の責任は、二大選挙を管理すべき現政権にある。 李明博政府の任期が1年だとしても、来年の政治日程を円滑に進めるには、南北関係を安定的に運んでいく必要がある。この間の「対北圧迫と説得」は後に暴風を増大させた。 今からでも政府レベルでの対北人道的支援を再開するなど、「北韓が早急に安定を取り戻し、南北が韓半島の平和と繁栄のために協力できるようになることを願う」との、統一部長官の談話の通り、真正性を積極的に見せてもらいたい。 （2011.12.22）
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