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カダフィ没落の教訓と北韓
柳東烈（治安政策研究所・安保対策室選任研究官） 10月20日（韓国時間）、リビアは絶対統治権者、カダフィが民兵によって射殺され42年間の独裁権力がこの地球で、またひとつ消えた。2010年12月、北アフリカのチュニジアで始まった、いわゆる「ジャスミン革命」の炎が中東を経て、30年独裁のエジプトのムラバク政権を追放させ、最終的にカダフィ射殺がリビア市民革命によって成功した。 去る2月15日、リビア第2の都市、ベンガジで起きたリビアの市民革命が8カ月にわたるカダフィ親衛軍との内戦の末、リビア国民評議会（NTC）による民兵によって終息した。 これで世界の関心は30年独裁、シリアのアサド大統領、33年独裁イェメンのサレハ大統領、そして、北韓の金正日に向けられている。現在のシリアとイェメンは、政権退陣運動が進められており、大規模な流血事態が深刻化し、独裁政権の追放はそう遠くなさそうだ。 しかし、問題は北韓だ。中東地域で炎のごとく急速に広がったジャスミン革命を注視しながら、私たちは、世界的に類を見ない3代世襲の首領絶対主義暴圧政権が一日も早く終息し、北韓同胞の自由と人権が取り戻されるきっかけになることを期待している。 北韓で中東発ジャスミン革命が成功するためには、次の事が肝心だ。 第一に、中東のようにデモや暴動が起きるには、まず、北側の住民が意識化され組織化されなければならない。つまり、金正日の暴圧政権に対抗するデモや暴動の求心体、すなわち主導勢力が形成されなければならないが、まだその段階ではない。 北韓住民に西側世界と大韓民国の自由と豊かさなど、情報の流入が必要である。情報の流入が可能となれば、国の体制を比較しだし、結局、北韓住民の目と心を開いて、暴圧政権に対する抵抗意識が生まれる。 しかし、北韓政権はマスコミを掌握しており、情報の流入や拡散の有用な手段であるインターネットを運用しておらず、中東のようにFacebookやTwitter、YouTube、携帯電話の文字メッセージなどを通じた自由な情報の普及を期待することが難しい。したがって、対北放送、風船飛ばし、ビデオ、CDなど、オフラインのスペースや、多様なチャンネルを通じて、持続的に自由の風、改革の風を北に流入させ、北韓住民に変化させるよう、努めなければならない。 第二に、60余年以上、首領の軍隊で兵士化された、北韓政権の重要な物理力であり、体制防衛力である北韓軍と人民保衛部が金正日政権に背を向ける要因を作り出さなければならない。実際、中東革命が実現した、エジプト、リビアでは、核心体制維持勢力である軍が独裁政権に対する支持を撤回したり、離脱して市民軍を導いたという点を想起しなければならない。 三番目に、北韓住民を常時監視する国家安全保衛部、人民保衛部、党組織、住民組織など住民統制システムを弱体化させる対策を講じなければならない。徹底した4つの監視体制下で、住民暴動を計画することは極めて困難だ。特に、金正日政権は中東革命に刺激を受け、体制防衛と政権維持のために、より一層、住民統制を強化するであろう。これを無力化する方法が望まれる。 最後に、先に提示した3つの条件の早期実現は困難に見える。現実的に最も便利な方法で金正日政権を崩すためには、北韓の深刻な食糧難などの経済難を戦略的に活用すべきであろう。我々は、中東の革命が、激しい住民の生活苦から始まったという点に注目しなければならない。北の経済難が限界に達し、住民たちが自然発生的に蜂起する仕組みを演出、というのが最も効率的な方法だろう。 持続した蜂起を広げるには、結局、北韓政権の主な体制維持の手段であり、恐怖政治の根幹である党政治組織、防衛組織（秘密警察）、保安組織（警察）と北韓軍を動かし、金正日の暴圧政権と分離させることだ。 「下からの住民蜂起」がなされれば、鉄甕城のような北韓・金さん集団も、カダフィのような悲惨な最期を迎えるだろう。
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