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北韓のUEP挑発制裁に対する中国の不適切な拒否 
ソン・ギホ(郷軍安保研究委員)
UN安保理は、対北制裁委会議および非公開の全体会議(2月22〜23日)を開催した。そして北韓のウラニウム濃縮プログラム(UEP)の深刻性と、追加の対北制裁の必要性を提起した対北制裁委の専門家パネルの報告書採択の可否を論議した。しかし常任理事国である中国の不適切な拒否権行使により採択されなかった。北韓のUEP挑発は、全世界の核非拡散体制に対する強力な挑発であり、UNの対北制裁決議(1718号・1874号)違反であるにもかかわらず、中国は6者協議で扱う問題だとして制裁に反対した。中国の拒否権行使は、北韓の核問題に解決の意志がないとの批判水準を超え、北韓に核開発をそそのかす幇助行為だと非難受けるに至った。 このような指摘は、これまでの北韓の核挑発と中国の態度を見れば理解できる。北韓は20余年の間、核問題の交渉のときに「韓半島の非核化」が金日成の遺訓だと騒ぎたて、対北支援の確保用として核問題を悪用し、内部的には住民たちが飢え死のうが秘密裏に核・ミサイルの開発に総力を傾けた。このような北韓の二重的な挑発行態のもっとも劇的な場面が昨年末に寧辺で起こった。 北韓はアメリカのヘッカー博士を昨年11月に招請と、その間、強力に否認してきたウラニウム濃縮施設を電撃公開した。北韓のUEP施設を直接見てきたヘッカー博士は、「寧辺のウラニウム遠心分離機は、とても精巧に作られた2世代(P-2)であり、毎年１個の核爆弾を製造する高濃縮ウラニウム(HEU)を生産できる」と伝えた。 これに対し、北韓核問題の専門家たちとマスコミは「この20年でもっとも挑発的な状況」とし、もう6ヶ国協議は意味がないとの無用論まで提起している。ブッシュ大統領のとき、北韓との会談に希望のヒモを離せなかったクリストファ・ヒル元次官補でさえも「今までそんな施設はない言う主張と、完全に逆だ」とし「6者協議を再び始めても北韓がウソをつくので価値がない。6者協議は終わった」と主張(1.27)するに至った。 北韓のUEP施設の公開は、これまでの挑発の中でもっとも深刻なものとして、その間北韓がその存在を否認したまま進めてきた全ての核交渉の結果が、欺瞞であったことを満天下にさらしたものだ。同時に、中国の意図的に抑制された(low-key)対北接近論理が、これをほう助したことを証するものだ。 中国の外交策略は、あたかも1930-40年代の中国大陸共産化のときと同じだ。ソ連が国民党政府だけを中国内で唯一の政府と認定するかのように偽装し、隠密に中国共産党による大陸共産化を支援・画策した。中国が、表面で6ヶ国協議を通して核問題を仲裁しようとするように偽装しながら、核兵器による韓半島の共産化を求めようとする北韓に同調、対南統一戦線戦術を駆使していると言う疑惑を受けるのに充分な状況である。 韓半島周辺の４大国中、北韓に最も近く、ウラニウム濃縮方式で核兵器開発を始めた中国こそが北韓のUEP挑発に対し、正しい制裁の先頭に立たなくてはならない。それが国際核非拡散体制が認定した核保有国であり、世界政治・経済を主導するG2としての責任ある姿勢だ。もし中国が現在と同じく北の核解決のために真正性ある態度を見せない中で北韓が核戦力を攻勢的に強化する場合、北東アジアは深刻な軍備競争および核武装に巻き込まれることになるだろう。これは韓国を経て日本、台湾にも拡散するだろう。 中国もこのような核のドミノの余波が北東アジアに拡散することを望まないだろう。中国が真に韓半島および北東アジアの平和・安定を望むなら、鍬（くわ）で防ぐことを鋤（すき）でも防げない状況まで悪化させないように最善の努力を尽くさねばならない。北韓のUEP挑発に対して6者協議を口実に安保理常任理事国の地位を活用し、拒否権を行使することは妥当でない。北韓が核交渉で見せた全てのことが偽善であったことを全世界が皆知るところで、中国の北の核問題への接近態度も根本的に変わらなければならない。さもなければ6者協議無用論が広がり、議長国としての中国の地位が真っ逆さまに落ちることを肝に銘じなければならない。 合わせて、北韓のUEP挑発に対し留意しなければならない点がもう一つある。たとえ北の核に関し、中国の態度が真正性があるように変わり、金正日-金正恩の世襲政権を実質的に圧迫、転向的な姿勢を取るように誘導しても、関係国たちが信頼できない問題が残っていると言う点だ。何故ならウラニウム濃縮施設は隠蔽性が高く、プルトニウムとは異なり自分達が告白する前には完璧な検証が不可能なためだ。 北韓のUEP施設公開の深刻な挑発性が、まさにここにある。北韓は核放棄の意思が全くなく、世界に向け「核保有国の認定」を脅迫しようとするものだ。このような挑発に対する適切な対応は、国際社会が協力し北韓政権の暴圧的・侵略的な性向を制圧することだ。これは政権交替の外に現在まで他の代案がない。結局、北の核問題は封建的な北韓の世襲政権と、運命を共にする手順で発展していることを念頭におかなければならない。この視点から中国の真正性ある態度が切実である。
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