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李明博大統領の訪米の成果とその意味
ソ・ジンギョ（対外経済政策研究院、研究委員）
李明博大統領が5日間にわたる米国国賓訪問日程を終え、10月16日に帰国した。今回の訪米期間に、特に私たちの目を引いたのは、李大統領に対する米国の破格的な厚遇だ。わが国の大統領としては5度目であり、13年ぶりに行われた上・下院合同演説で李大統領は45回にわたって熱い拍手を受けた。米統合参謀本部議長専用の特別情報分析室である「タンク」で、米軍からブリーフィングを受けたのは、外国の首脳として李大統領が初めてだ。 当然、米国現地でも、李大統領訪米の成果に対し好評が続いている。ワシントンタイムズ（WT）は、「世界の安定のため、米国の努力に韓国が中心的な役割を果たしていることを想起させた訪問だった」とし、「両国の共同の利益と相互信頼の必要性を再確認した」と評価した。 ワシントンポスト（WP）も、韓米FTAと関連し、韓米両国の経済的、戦略的な同盟関係を一層加速すると発表した。 しかし、今回の李大統領の訪米で、私たちが注目すべきことは、このような外形的なホスピタリティではなく、「多元的な同盟」関係の設定という点だ。つまり、李明博大統領が今回の訪米期間中にオバマ米大統領と首脳会談を行い、これまで安全保障の軍事同盟中心だった韓米関係を、経済同盟をはじめとする「多元的な戦略同盟」に格上げさせたという点が、さらなる実質的成果だ。もちろん、その土台には、韓米自由貿易協定（FTA）がある。韓米FTAにより、現在、韓米両国は互いに切っても切れない、まさに宿命的なパートナー関係になったのだ。 李明博大統領の訪米を通じて成熟化された韓米FTAは、韓米両国ともに大きな経済的利益をもたらすだろう。経済回復が遅れている米国は、韓米FTAによって輸出増大と雇用創出が期待できる。また、中国の支配力が拡大している東北アジアにおける米国の利益を維持する上でも、韓米FTAは大きな役割を果たすだろう。 一方、単一国家としては世界最大の米国市場を先行獲得したわが国も、韓米FTAで自動車と部品、繊維、電気、電子などの輸出拡大が期待される。韓米FTAは韓国と韓国人、韓国製品の米国内の認知度を高める絶好の機会となる。これまで高い技術力と品質を持っても、会社や製品の認知度が薄く、対米輸出の困難を経験した多くの中小企業に、韓米FTAは、新たな機会を提供する。 両国首脳はまた、多元的な戦略同盟にふさわしく、リビアとアフガニスタンの復興と安定化支援協力事業など、国際舞台での協調も強化することにした。これにより、リビアと中東民主化の定着や経済再建のために必要な人的資源開発、インフラ開発などの事業への参加が可能となった。また、両国政府が追求しているグリーン成長分野でも、エネルギー効率やスマートグリッド研究開発を共同で推進、未来の成長動力を確保し、グリーン成長協力を遂げるきっかけを作った。 2012年は、北が強盛大国の扉を開くと公言している年であり、わが国を含む東北アジア主要国のリーダーが交代する、政治的に不安定な時期だ。このような時に、北韓の武力挑発を防ぎ、核問題を効果的に解決するためには、両国の緊密な連携の維持が不可欠だ。 このような観点から、今回の李明博大統領の訪米で成した韓米両国間の多元的な戦略同盟は、過去60年間、対米外交の決定版であり、世界の中心に浮上する、太平洋時代の新たな韓米関係の地平を開いた。
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