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相次ぐ脱北と北の将来 
柳東烈（治安政策研究所・安保対策室先任研究官）
去る9月13日、日本の海上保安庁は、石川県能登半島付近で北韓人9人を乗せた小型漁船（長さ約8m）が漂流していることを発見、身柄を拘束し北韓脱出の動機などを調査し、保護措置を取ると発表した。 外国メディアの報道によると、船には家族、親戚関係にある男性3人と女性3人、子供3人が乗っていたが、北での深刻な生活苦から逃れようと、韓国へ脱出するため9月8日に清津港を出発し、公海上に出たが、荒波などによって漂流してから5日間、750�劼肪�する日本能登半島に流されたという。 日本政府は脱北者が韓国行きを希望しており、調査を終えた後、前例に応じて、これらを韓国政府に引き渡す予定だという。 北韓住民の海上脱北のニュースに接して、彼らが無事でよかったという安堵感とともに、金正日集団の将来は決して順調ではないと見た。 2000年代に入ってから急増した脱北者の韓国入国者は、すでに昨年末で2万人を突破し、その後も続いている。 特に、韓国に入国できず、中国などで留まっている脱北者だけでも10万人を超えるといわれている。 北韓住民の脱北の動機は、ほとんどが深刻な生活苦からの脱却のためだ。この中には元労働党黄長��書記のように、政治的動機で脱北した人もいるが、大半は深刻な食糧難と劣悪な生活に疲弊した住民たちが、食糧をさがすために国境を越えた。 脱北者たちは、北韓の追跡と、中国公安の監視を避けて中国を経由して東南アジアのタイ、ベトナム、ミャンマー、ラオスまで移動して、韓国に入国している。それでも韓国に入国した脱北者は、幸運にも脱北に成功したが、韓国行きに失敗し、日ごとに監視を避けるため、人間以下の生活を甘受しながら第3国で留まっている脱北者たちの立場を考えると、金正日集団に怒りを感じざるを得ない。 脱北者のほとんどが労働者や農場民であることを考えると、相次ぐ脱北事態は労働者が主人となる「地上の楽園」、「幸せに満ちた人間尊重の我々式社会主義社会」と宣伝している北韓の体制は、いかに偽りの社会であるかを如実に示している。 北韓は、労働者がマスターになりたいと幸福があふれる主体の社会ではなく、労働者を奴隷化させ、彼らの痛みと汗を搾取して金正日とそれにへつらう特権層が護衛号食している首領絶対主義暴圧体制だ。 北韓社会の主人公であるべき労働者、農民などに満足な食事さえ与えられない深刻な食糧難を迎えようが、これを無視して、莫大な費用をかけて、核開発と軍事力の増強に取り組み、韓半島の緊張を高めているのがまさに金正日集団である。 特に、「強盛大国の建設」というスローガンを掲げ、北韓住民の「100日戦闘」など、大規模な努力動員をさらせながら、抑圧・搾取して金正日集団に忠誠を尽くすことを奨励している北韓の現実は、韓国現代史と人類文明史の悲劇である。 相次ぐ脱北の行列は、北韓政権の住民統制にひびが入ったことを意味している。もちろん、脱北者数が北韓の総人口（2,300万人）の1％にも満たず、直ちに北韓体制が崩壊することはないだろう。しかし、脱北事態が続き金正日政権の暴圧統治がこのまま続くと、長年たたいてきたしぶきが、いずれは岩をも砕く大波となり、金正日体制にも亀裂が加速され、結局は政権崩壊につながるだろう。 金正日の暴圧政権に対する北韓住民の怒りが、「下からの変化」を促進させ、一日も早く北に自由と人権が訪れるようにしなければならない。
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