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LAZAK『裁判の中の在日コリアン』 中高生向け出版
3章構成、巻末には在日略史年表を収録している
李宇海代表
写真あり
絵解き
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日本の戦後史映す在日訴訟
同胞弁護士16人が執筆

 解放後から現在まで、在日同胞は民族的マイノリティーとしての尊厳をかけ、就職、教育、入居差別、指紋押捺撤廃運動、戦後補償など、様々な人権訴訟の当事者として闘ってきた。これらの裁判の一つひとつについて、若い同胞弁護士たちが普遍的な人権の視点から検証し、中高校生向けに平易に解説した『裁判の中の在日コリアン=中高生の戦後史理解のために』(在日コリアン弁護士協会、略称LAZAK編著)が発刊された。日本の戦後史を問い直す解説書となっている。

 本書で取り上げたテーマは50〜60年代の小松川事件と寸又峡事件にはじまり、70年代初頭の日立就職差別、指紋押捺拒否訴訟、国民年金裁判、東京都管理職裁判、一連の戦後補償裁判、地方参政権訴訟など。金竜介弁護士の提案を受けて理事ら16人が合宿・討論を重ね、1年がかりで分担・執筆した。同協会としてはこれが初の出版となった。

 小松川事件と寸又峡事件は当時の苛烈な民族差別を遠因とする刑事事件だったが、以降も在日同胞を取りまく民族差別と国籍差別の構造は基本的に変わっていないことが本書を読んでよく分かる。

 例えば、長年にわたって国民年金の保険料を収めながら受給年齢に達しても受給資格がないと請求を認められず、83年の東京高裁控訴審で逆転勝訴した金鉉均さんのケースだ。これも「受給資格がないにもかかわらず、老齢年金を受給できるものと信頼し、期待した人の信頼・期待を保護したにすぎず、正面から国籍条項を設けた国民年金法を違憲と判断したものではない」(崔宗樹)。

 外国人の公務就任の妨げになっている「当然の法理」について、張界満さんは「外国人が公務員になると、自分の国籍国に有利な判断をして、日本に不利な行動をとるだろうという根拠のないイメージが背景にある」と指摘。日本における外国人の実際を正しく知っていくよう訴えている。 寸又峡事件を執筆した李宇海代表は「法廷に持ち込まれたこれらの裁判は、日本の現実を写し出す鏡のようなもの。在日韓国人が日本社会でどうあがらいながら生きてきたのか。正しい知識として日本の若者たちに知ってもらいたかった」と話している。

 1日、東京・港区の国際文化会館で開かれた出版記念会には日本人の弁護士も含めて関係者100人余りがお祝いに駆けつけた。現代人文社刊。1600円(税別)。本書は在日コリアン弁護士協会でも取り扱っている。注文はFAX03・3504・2400。

 同協会では第2弾として韓国での民法改正を受けて専門家向けの解説書の出版を予定している。

(2008.2.6 民団新聞)
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