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<第63回定期中央委>08年度の総括報告(案)
10月28日に東京で開かれた「世界韓民族統一問題大討論会」
10月6日、青互台を訪れた全国の民団幹部を激励する李明博大統領
文化・生活の向上 着実に牽引

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はじめに

本国との絆確かに
自立財政へは試行錯誤も

 2008年度は地方参政権の獲得運動、建国60周年事業への参与、緊要な課題である財政自立度の向上、組織改革の準備などに重点的に取り組み、多様な成果を着実に収めた1年でした。

 韓日関係は李明博大統領の就任以来、独島問題によって多少の波風が立ったものの、韓日両首脳のシャトル外交の復活や頻繁な直接会談により、良好な関係が保たれました。また、本団の活動と在日同胞社会に対する駐日大使館と本国政府の温かい配慮が目立った年でもありました。

 本団がこの間、最重要課題として推進してきた地方参政権獲得運動では、衆議院の解散・総選挙を視野に正念場の年と位置づけ、全国単位または地方本部単位で3次にわたる集中活動を行う一方、各地方本部でシンポジウムの開催など世論喚起にも努めた結果、日本の各政党の動きにも大きな影響を与え、獲得に向け確かな手応えを得ました。

 建国60周年の昨年は、本国関連の事業が非常に多い年でした。李明博大統領の就任式に1000人規模で参加したのをはじめ、国軍の日の行事、「世界韓人の日」にあわせた海外同胞関連行事、ソウルでの幹部研修会の開催など、建国60周年をともに祝うだけでなく、本国との歴史的な紐帯を再確認する貴重な場となりました。日本においても、建国60周年を光復節と合わせて全同胞的に祝い、さらなる祖国の発展を期して、今後もともに歩んでいく決意を新たにすることができました。

 一方、焦眉の課題である財政問題については、現在のところ所期の目標が達成されたとは言い難く、試行錯誤が続く状況にあります。

 財政の自立度を高める目的で、各種の収益事業を開発しようと様々な可能性を模索しましたが、部分的には収益を得たものの、全体として有効な事業の開発に至らなかったことを率直に認めざるを得ません。今後も引き続き、中央本部での単独事業だけでなく、地方本部、支部を対象にした収益事業を模索していきます。

 上記以外にも、次世代育成のため隔年に開催しているオリニジャンボリー、在日同胞の独自文化の向上を目指す「MINDAN文化賞」、同胞の生活上の困難を解決するための「みんだん生活相談センター」、在日韓人歴史資料館が初めて実施した大阪特別展、図録『写真で見る在日100年』の刊行、民団の歴史を初めて動映像でまとめたDVD『ドキュメンタリー韓国民団』の製作、南大門復元募金などは各級組織幹部、団員の協力のもと大きな成果を挙げてきました。

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3大運動−1
地方参政権獲得…連続集中活動で成果

 昨年、本団は衆議院の解散・総選挙を地方参政権獲得の正念場と位置づけ、日本政界への働きかけを強める一方、シンポジウムを各地で開くなど、中央本部と地方本部、支部が一体となって世論喚起に注力してきました。

 2月には全国の地方団長をはじめとする幹部が583人もの国会議員を訪問し、一斉活動を行ったのを手始めに、各地方本部でも支部幹部と連携し5月から6月にかけて第2次、7月から8月にかけて第3次と継続的に地元選出の国会議員に対する陳情活動を行い、早期付与を強く求めました。

 その結果、民主党は党内の推進議員連盟が付与に賛同する提言を執行部に提出し、また自民党でも法務部会でのプロジェクトチームが民団幹部を招いて議論を行うなど、各政党ともこれまでにないほどの関心を示すこととなりました。

3大運動−2
組織強化…効率運営へ改革準備

 建国60周年事業の推進に力量を割かれたとはいえ、団員家庭への戸別訪問活動が当初の予定を貫徹できなかったことは、遺憾であったと言わざるを得ません。組織活動の原点は戸別訪問にあることを再認識し、今後も取り組みを続けていきます。

 組織整備委員会は短期間の活動でありましたが、委員の精力的な論議を経て現実的で実現可能な提言を導き出しました。この提言を受け、常任部署の改編や過疎支部における三機関制度の一部見直しなど、民団の組織的な伝統を守りつつも、効率性の高い運営を目指した組織機構の改革準備を終えたことは評価されるべきでしょう。

 ソウルで開催した全国幹部研修会では、建国60周年の意義を再確認すると同時に、内外情勢と当面課題について意思統一を図りました。特に、次期衆議院選挙では、地方参政権付与に賛同する候補者を支援していくこと、日本の再入国許可制度から永住者を適用除外にすること、入国審査制度からの定住者(再入国許可者)の適用除外を求めていくことなど、総力を傾けて取り組む決意をいっそう固めることができました。

3大運動−3
韓半島の非核化と平和定着…北韓の不当性を訴え

 内外情勢と本国政府の対北政策に関する統一認識を深めるため、各種講演会、研修会を実施しました。特に、統一部次官を招請し本団の平和統一推進委員会が主催した「統一問題大討論会」では、政府の「相生共栄、対北政策と南北関係の現状」について詳細な説明と専門家による討論を行ない、幅広い同胞の理解増進に寄与しました。

 また、建国60周年にちなんだ様々な集会・行事や機関紙の年間キャンペーンを通じて、北韓の核兵器開発と統一政策の不当性を明らかにし、韓半島の民主平和統一を担保するのは韓国であり、その統一政策こそ正当であることを同胞社会や日本社会に広く知らせることができました。

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5大事業

同胞生活支援…緊要な相談網の拡充

 開設以来2年目を迎えた「みんだん生活相談センター」は相談件数も増加し、切実な問題に適切に対応する機関として同胞の間に定着しつつあります。新規定住者からの相談件数が40%を占めている現状は、彼らの置かれている現実の厳しさを示すものであり、本団としても適切に対応する必要を痛感するものです。相談を受ける専門家のネットワークを日本全国と本国にも築きながら、全ての同胞からの相談に応えていける体制作りを目指していきます。

 日本の再入国許可制度から永住韓国人への適用免除を求める運動については、ほぼ全地方本部が地方入管への要望書提出を終え、中央本部でも法務大臣に面談してわれわれの意思を明確に伝えるなど、運動を強めてきました。入国審査制度(指紋採取、顔写真の撮影など)についても、法務大臣に適用除外の対象を一般永住者をはじめとする定住者(再入国許可者)まで幅広く認めるよう求めてきました。

同胞経済支援…具体策さらに煮詰め

 不況が深刻化するなか、民団、韓商連、韓信協会員組合、本国銀行の在日支店が一堂に会し、同胞経済の活性化に向け「緊急保証制度」の相談窓口を充実化させること、中小零細の同胞企業への資金供給の枠を確保することなど、当面の対策を協議しました。

 これからも、経済環境の推移を鋭意見守りながら、具体策を煮詰めていきます。

 社会的に問題となっている「派遣切り」対策として、在日同胞も地域社会の構成員であるという立場から、同胞遊技業界を中心に失職者を雇用していくことを緊急に決め、韓商連と協力して実施し、日本社会に在日同胞としての存在をアピールしました。

次世代育成…手固く民族意識涵養

 5回目を迎えたオリニジャンボリーにはオリニ335人が参加し、諸般の企画を通じオリニの民族意識の涵養に大きな機会となりました。特筆すべきは北海道、沖縄など、同胞の過疎地方本部から積極的な参加が見られたことです。問題点として、経費の過大な負担が指摘されますが、次世代育成の観点から期待は大きく、今後とも継続していくべきだとの声には強いものがあります。

 土曜学校、臨海林間学校、クリスマス会などのオリニや小中学生を対象とした事業には昨年、約3300人が参加し、民族意識を涵養し、民族主体性を堅持していく事業として底堅い実績を見せています。

文化振興…応募者広がる文化賞

 「MINDAN文化賞」は実施から2年目を迎え、応募が初年度に比べ人数で4割、作品数で2割増加するなど質量ともに充実してきており、在日自身による独自文化の振興を図るものとして同胞社会に着実に定着しつつあります。

 「在日韓人歴史資料館」は初めての移動展示会を同胞最多居住地域である大阪で開催しました。約2週間の展示期間であったにもかかわらず、この種の展示会としては異例とも言える2000人もの来場者があり、大成功を収めました。これを機に資料収集にも拍車がかかるものと期待されています。

韓日観光交流年…全国に支援センター

 「韓国人旅行者支援センター」はすでに43地方本部に設置され、公館との緊密な連携のもと、困難に直面した韓国人旅行者からの要請に応えられる体制が整備されつつあります。本団は、本事業を通じて市民レベルでの韓日間の架橋的役割を果たそうとするものであり、韓日共同発展時代が展望されるなか、より充実化を目指すものであります。

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終わりに

 民団はこの間、幹部・活動家の高齢化や減少、財政基盤の縮小などの困難を抱えてきました。しかも、昨年後半から世界同時不況の荒波にもまれ、民団を支える同胞経済はいっそうの苦境に直面しています。ですが民団は、基本となる運動・事業を何一つおろそかにすることなく、むしろ新規事業の充実化を果たし、短期事業を成功させました。

 各級幹部皆さんが叱咤激励し合い、自己犠牲の精神で団務に当たってこられたからであり、その労苦に心から敬意を表します。

(2009.2.18 民団新聞)
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