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<読書>丸ごと韓国骨董ばなし 百済人の石塔に韓日の絆
 16世紀に活躍した茶人の利休や、「民芸運動の父」と呼ばれた柳宗悦も憧れた朝鮮朝時代の陶器。日本民芸館の学芸員として長年にわたり、韓国の美術品に親しんできた著者が、自ら集めた物の来歴などを綴った骨董エッセイ。

 縁があって著者のもとに辿り着いた朝鮮朝時代の工芸品の一つひとつに歴史や物語があり、読み進むうちに骨董の持つ独自の世界に引き込まれていく。ある骨董店の店主から「高麗人参を煮る石鍋」と聞かされ購入した物が実は、昔から韓国では非常に珍しいとされた「瓦胎漆器」で、さらにその正体を明かした韓国の博士から「今日はこれで酒を飲みなさい。韓国では最高のものが手に入ったら、何はともあれ、それで飲むのが習慣」と言われて嬉しくなり、酒を入れて飲んだという、仰天エピソードも紹介。

 また、白洲正子さんが愛したという滋賀県蒲生郡にある石塔寺の石塔は、百済の渡来人たちによって造立されたと言われている。韓日両国に在る石塔の美しさを通して、かつて結ばれていた両国の固い絆に思いを馳せる。

 「我が身には、国という、人間が造った分別を超越させる同じ輩の血が、確かに流れているといった意識が、徐々に鮮明になる」という下りは、物を通して文化の礎を真摯に見つめてきた著者ならではの弁である。

(尾久彰三著、バジリコ株式会社2000円+税)

(2007.4.25 民団新聞)
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