民団韓食ネット(崔千浩会長)は6、7の両日、東京浅草の遊園地「花やしき」で「日韓グルメフェア2015・イン・浅草」を開催した。民団中央・東京本部や東京日韓親善協会、駐日韓国大使館のほか、台東区と地元商店会などが後援した。7日は土曜日とあって、若者や家族連れなど多くの来客でにぎわいを見せた。 地元商店会も協賛 同イベントは、韓日国交50周年を記念し、食を通じて両国の文化を理解しあい、友好の懸け橋になればと企画した。 6日のオープニングで東京日韓親善協会の保坂三蔵会長(元参院議員)は「浅草本願寺は江戸時代、朝鮮通信使の宿館を務めた、日韓友好の縁の町。区や商店会の理解と協力がイベント実現につながった」と行政と韓日民間のスクラムを称えた。 園内ではチヂミ、おでん、ホルモン煮込み、トッポッキ、ホットクをはじめとするグルメフードコートや韓流・日流ステージ、民族衣装、キムジャン、韓紙工芸、韓国占いの体験コーナも設けられ、韓国文化と直にふれ合った。 ステージでは韓国舞踊、韓日歌謡ショー、元松竹歌劇団のダンスをはじめ、カラオケ大会、韓食クイズ、投壺(韓国矢投げ)など多彩なプログラムで観覧者を楽しませた。 浅草は東京を代表する観光スポットでもあり、「下町の味」を誇る飲食店が多い。甘辛の牛すじ煮込みをメニューとする居酒屋が並ぶ、通称「ホッピー通り」には焼き肉など在日同胞経営店も多い。 フェアは園内だけでなく、お好み焼き・もんじゃ、そば、寿司、居酒屋、てんぷらなどの近隣42店も特別協賛。配布されたイベントマップに添付のクーポン券で割引や一品サービスなどを行った。 根っからの韓食・韓流ファンを自認する足立区から訪れていた4人組のひとりは、「高校時代、在日韓国人の女性と親しくなり、よく三河島で韓国料理を食べ歩いた。きょうはそんな青春時代を思い出しながら下町の雰囲気を楽しめました」と笑顔を見せていた。 ■□ レベル高いプロの味…全国キムチグランプリ併催 金賞受賞者「塩にこだわる」 全国から選ばれた発酵キムチづくりの名人が6日、第4回全国キムチグランプリで日本一の座を争った。これは7日まで浅草花やしき特設会場で開催された「日韓グルメフェア2015・イン・浅草」のメーンイベントとしての位置づけ。 決勝戦となるファイナル出場権を獲得したのは6社だった。全国の漬物店、キムチ工場、焼肉店、韓食堂など80社が書類選考に挑み、試食審査を経て選ばれた逸品ばかり。 まず、来場者が6社のキムチを順番に試食したあと、投票ボードにお気に入りのキムチを赤いシールで貼った。 投票の決め手を聞くと、「食べやすい」「辛さがマイルド」というものが多く、どちらかというと、熟成した本格物より浅漬けで果物を使ったフルーティな味が人気を呼んだ。なかには、「超辛い」、「食べ続けてたら、辛すぎて最後は味が分からなくなった」という激辛が苦手な若い人も。 約250人の一般投票と専門家4人の審査員の持ち点100点を加算した得点でグランプリに輝いたのは、277点を獲得した関東・甲信越代表のつながるハングル(本田朋美代表取締役)だった。本田さんは「なによりも塩にこだわった」という。銀賞は近畿代表、希天下の宮本成哲さん(163点)、銅賞は九州代表、大東園の徐道源さん。 審査委員長を務めたキムチ文化研究所所長の崔誠恩さんは、「前回よりレベルが高かった。どこもプロの味」と感心した表情だった。審査にあたっては「味も大事だが、素材とヤンニョンのハーモニーを重視した」と評した。 (2015.11.11 民団新聞) |