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<社説>税制上の優遇措置も認定を
 アジア系外国人学校の大学受験資格が緩和され、韓国系では東京韓国学校と京都韓国学校の卒業生が、来年度から大学入学資格検定(大検)なしで国公立大学や専門学校の受験が認められることになりました。実現すれば大学受験資格がより拡大されることになり、私たちも今回の文部科学省案を大きな前進と歓迎します。

残されたもうひとつの課題

 民団は傘下団体代表や東京韓国学校関係者と共に、文科省が民族学校卒業生への国公立大学受験資格付与を見送るとの方針に対し「国際人権規約はいうにおよばず、日本の多文化共生にも逆行するもの」と抗議し、見直しを求めてきました。パブリックコメントを通じても全国の民団関係者が見直しの声をあげてきました。

 しかし、これまで明らかにされた文科省方針では、韓国学校をはじめとしたアジア系民族学校のもうひとつの願いである税制上の優遇措置(寄付金を税金から控除)にまったく触れていません。保護者らが日本の学校へ寄付した場合は損金・控除の対象になるのに、民族学校にはそれも認められていません。文科省と財務省はすでに米英に本部のある学校評価機関の認証校について「特定公益増進法人」に追加する決定をしました。この問題についても民族学校を引き続き対象外とするならば、アジア蔑視との批判を免れないでしょう。

民族教育保障の観点からも

 私たちは日本人同様、納税の義務を果たしていますが、韓国学校に対する国庫からの補助金はないのです。自治体からは各種学校として助成金が交付されていますが、日本の私立学校に比べれば、その金額は数分の1程度にしかすぎません。保護者らは我が子の民族教育のため、経済的にも重い負担を背負っているのが現状なのです。

 そしてなによりの問題は、これまで民族教育を制度的に認めようとしてこなかった文科省の姿勢そのものにあるといえます。それが如実に出たのが65年の文部次官通達でした。民族学校を「学校」として認めないとしたその意向に従い、全国の国立大学はもとより、公立・私立大学も約半数が民族学校出身者の受験を認めないままできました。

 また、朝鮮学校だけを大学入学資格付与の対象から外すとしたことにもその根拠に疑問を感じます。北韓の核問題や拉致問題はあったとしても、朝鮮学校に通う生徒にはなんの責任もなく、もし学校に改善すべき点があれば指摘すべきと考えます。

 日本国憲法や国際人権規約の精神に照らしても、日本に定住する子どもたちは、その国籍・民族を問わず、自民族の言語による教育を等しく受ける権利を保障されています。文科省には民族教育を権利として保障する観点から方針のさらなる検討を望みます。

(2003.8.27 民団新聞)
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