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「初の投票に感無量」…在外選挙、日本でもスタート
子どもを連れながら投票する女性
親子4人で投票に来た、足立区の洪承玉さん(中央)

在日同胞、早朝から投票所に

 韓国国籍の在外同胞にとって初の国政選挙権行使となる第19代国会議員選挙(4月11日投・開票)の在外投票が28日、大使館と総領事館などで始まった。

 日本での投票場所は、計10カ所。東京新宿区四谷の韓国大使館に設けられた投票所には、この日を待ち望んだ同胞らが投票開始の午前8時前からかけつけた。

 初の在外投票とあって、在外選挙管理委員会のメンバーも少し緊張気味だったが、旅券、外国人登録証、運転免許証などで本人確認したあと、投票用紙と回送用封筒を配布した。

 投票用紙は比例代表、地域区の2種類あるが、民団員らのほとんどは比例代表のみ。

 韓国で住民登録をしている国外不在者申告者(留学生、商社員、駐在員など)は、地域区国会議員選挙用と比例代表国会議員選挙用の2枚。

 記票所に入り、投票用紙の支持政党や候補者に専用の判子を押し、封筒を密封したあと投票箱に投函した。

◆乱立政党、紛らわしい党名に怒りも

 ただ、投票所には比例代表登録した政党が20もあることに有権者たちもとまどっていた。

 与党「ハンナラ党」が「セヌリ党」に改称したはずなのに、別のミニ政党が「ハンナラ党」に改称して登録していたからだ。 「こんな紛らわしいことがあっていいの?」と怒りの声も出ていた。

 50代のある女性(東京・台東区)はインターネットで選挙情報を調べたら5〜6党が出ていたが、投票所に来たら20政党あったのでびっくりした。どこを信じていいのか分からないくらい多いし、バラバラで1つになっていないと思った。

 また、30代の男性は「そうでなくても韓国の政党をよく知らないのに、20もあるとちんぷんかんぷん、迷ってしまいますね」とし、本紙が掲載した中央選管提出、主要5政党の10大政策を読み直してから投票に臨んでいた。


在日同胞ら「感無量」…初の投票「待っていた」

 在日同胞の大半は初の韓国国政選挙参加。「胸が熱くなった」「感無量」「今まで生きていたからできた」など、初体験を喜ぶ半面、「政党がこんなに多いとは」「改称したはずの政党名がまだあるのはおかしい」「情報収集に苦慮した」などの意見が出ていた。

◆家族総出で「清き1票」

 夫人、2人の息子の家族総出で投票した洪承玉さん(58・東京都足立区)は19歳で渡日し初の選挙参加。
 「この日を待ち続け、家族一緒に投票ができて嬉しい。ただ、5〜6党だと思ったがこんなに党が多いとは思わなかった。投函する時は少し緊張したが感無量とともに、ほっとした気持ち」と胸をなで下ろしながら、「何も知らなかった息子たちも今回の投票で少しずつ韓国の政治に関心を向けたみたい。年末の大統領選挙も必ず投票する」と意気込んでいた。
 夫人の金良美さん(54)も、「もっと早く実現していれば亡くなった両親らも投票できたのに。日本では差別、韓国には見捨てられた1世たちを思うと複雑ですね」と話していた。

◆「韓国国民」を実感

 金貞子さん(66、埼玉)は「待ちに待った日だったから朝一番に来た。投函するときは胸が高鳴った。韓国国民であることを実感した。ただ、各政党についての選挙管理委員会の情報をもっと早く提供してほしかった。どの政党を選んでいいか、情報が少なく悩んだ。そういう意味では、政治に対する関心は一層高まったと思う」と話していた。

◆渡日から70年目に

 高淳賢さん(82・東京杉並区)は12歳の時に日本にきた。
 「とても楽しみだったし気分がよい。これで韓国人としての使命を果たせた思い。現在のこの情勢では、安保体制をはっきりさせる政党に入れた」ときっぱり。 「年末の大統領選挙も楽しみだ」と喜んでいた。

◆新規定住者も初投票

 10代に渡日して25年目のユ・ヒソンさんも初の投票。この日は子どもと手をつないで投函した。「韓国の選挙のたびに思っていたが、本当に投票したかったし嬉しい。とにかく庶民が不自由なく暮らせる国になってほしい」との思いを込め1票を投票箱に入れた。

◆留学生らも友人と

 韓国からの留学生たちも投票所にやってきた。
 留学生仲間3人で訪れた男子学生(24歳〜26歳、いずれも、さいたま市)は韓国でも投票経験はあるが、「日本という場所にいるからこそ投票したかった。今日は一緒に行こうと約束していた」と声をそろえる。

 「学生なので、やはり登録金(入学金・授業料)の軽減などに関心を持っていた。ただ、この問題はどの政党も同じ事言ってるけどね」としながら、「韓国をすばらしく正義のある社会に!反則、嘘のない社会に」と3人でかけ声をかけていた。

 この学生ら、韓国国内よりも一足先に投票を終えたが、ツイッターやブログなどで留学生仲間や韓国の友人に「必ず投票に行け」と呼びかけたという。

◆政党の情報もっとほしい

 韓淳玉さん(56・東京都足立区)は「自分の1票が国政に反映されると思うと感慨深い」としながらも、「受付では韓国語で話しかけられたが、日本語での説明も必要。各政党の情報は近所の同胞から聞きながら集めていた。ただ、ハンナラ党がセヌリ党に改称したことを知らなかったから戸惑った」と指摘していた。
 

 (2012.3.28)

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