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<インタビュー>明日を夢見る若い力 柳太漢さん
カナダ留学の前学生会会長

 今月9日、語学留学のためカナダ最大の都市、トロントに向け出発した前学生会中央本部会長の柳太漢さん(23・神奈川県横浜市)。この地をあえて選択したのは100以上の国の文化が存在するといわれ、異なる背景を持つ移民たちが当たり前のように暮らす多文化共生社会について学び、在日の存在を伝えたいという思いもあったからだ。会長を務めた1年間に国籍や世代を超えた人々との出会いを通じて、在日3世である自身のやるべき事柄について模索し続けてきた。留学出発を前に、太漢さんに聞いた。

共生社会に学んで「在日」を伝えたい

 カナダ留学を目前に控えながらも、快く取材に応じてくれた。期間は来年2月初旬までを予定している。この留学生活を通じてやりたいことがあると話す。

 1つは「日本もそうあってほしい」という希望を込めて、移民政策を実施しているカナダにおける多文化共生社会の実態を学ぶこと。さらにもう1つは英語に磨きをかけて、海外の人たちにも在日の存在を伝えたいという思いだ。

 「日本では僕以外にも在日についての勉強や活動をしている学生などがおおぜいいます。僕は英語を学び、違う角度からアプローチしたいと思いました。在日韓国人を通して、戦争は負の遺産しか残さないというのを伝えたい。在日は日本でこれだけ苦しんでいるというのではなく、こういう現状があるから過去から学んで次にいかさないといけないということを理解してもらいたい」

 在日としての意識を高めていったのは、学生会に参加してから。大学生のときから本名を名乗ったが、友人の前で胸を張っていえない自分がいた。

 小学4年生のとき、家族から在日韓国人であることを告げられた。だがその意味も分からずに同級生の前で自分が韓国人であり、もう1つ名前があると話した途端、笑われた。その出来事以来、自分が在日であるということを言えずに育ったと話す。

日本人学生と交流し学習も

 学生会中央本部の会長を務めたのは、今年3月までの1年間だ。就任当時から、日韓関係の団体はいくつも存在するのに、横のつながりのない点に注目してきた。

 その後、東京・港区の韓国中央会館別館にある「在日韓人歴史資料館」(姜徳相館長)で、韓半島出身の元BC級戦犯同進会の李鶴来会長から寄贈された資料整理にあたっていたボランティアの日本人学生とともに日韓学生交流会を立ち上げ、昨年12月に1回目の「在日について学ぼう会」を主催。在日と日本人学生、韓国人留学生40人が参加した。

 また2回目には運動会を開き、今年3月17日には、在日韓人歴史資料館のセミナー室で3回目の「李鶴来さんを囲んで語る会」を開催した。資料整理のボランティアにも参加していた太漢さん。語る会での李さんの話には衝撃を受けた。

3世としての役割を自覚し

 「この日参加した在日と日本人の学生たちは皆、植民地時代に生きてこられた方と会うのは初めてでした。李さんの言葉には重みがあり、例えば銃が怖かったという一言でも、情景が浮かぶほどそのときの気持ちが言葉に出てきました。参加者が戦争を身近に感じることができ、自分たちの問題としてとらえていた。僕にとってこの会は貴重な場になりました」

 この時の体験も含め、3世として在日の歴史を後世に伝えていく必要性をそれまで以上に強く持った。「僕たち3世は民族的意識を持ちつつも、日本的な感覚を持っている。4世、5世になったら日本的意識が強くなっていくので、僕たち世代の今後の役割は非常に大きくなっていくと思う」

 さらに「ボーダーレス社会とはいうけれど、それはお互いの境界線を知ったうえでのこと。でも、まわりで言うボーダーレスとは最初から線を取っ払おうとする。それは違うと思う。人には皆、バックグラウンドがあるからです」と力説する。

トロントでも活動を夢みて

 また次の時代を担う若い世代の在日、日本人、韓国人の3者が一緒に手を取り合い、歴史を通してお互いの背景は違うということを学ぶことで、本当の理解を得られると考える。「日本人に対して、韓国人に対して時間はかかっても働きかけていくことが、在日3世の役割の1つ」

 太漢さんは7月、スタディーツアーの一環で在日韓人歴史資料館を訪ねてきたアメリカの教師たちを前に、在日に関するプレゼンテーションを行った。「トロントでも在日について何かやりたい」とこのプレゼンテーションを持参するほど、張り切っている。

 「会長を務めた1年間は自分の人生のなかで濃密な時間だった」と話すほど、さまざまな出会いと経験を積んだ。さらに当初の目標だった日韓関係の団体とのパイプもつなげた。

 法政大学卒業。今後、社会人として新たな一歩を踏み出すことになるが、「在日と韓日から離れられません。もし、僕を必要としてくれる方から声がかかったら、喜んで手伝わせていただきます」。未知数の可能性を秘めた太漢さんの爽やかな笑顔が、さらに輝きを増すことに期待したい。

(2007.8.15 民団新聞)
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