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<婦人会特集>60周年迎え、余玉善会長が語る
次世代にしっかりと婦人会の歴史を伝えたいと語る余玉善会長
激動の歴史を糧に未来へ進もう

オモニパワーは同胞社会の柱
自負持ち逞しくしとやかに

 在日本大韓民国婦人会中央本部の結成は1949年6月15日。今年60周年、いわば還暦を迎えた婦人会は、10月29日に東京で記念祝賀会を開催する。「良妻賢母」合い言葉に、妻として、母として、夫を支え、子どもたちを育てながら、全国組織としてオモニパワーを発揮しつつ、在日同胞社会を支えてきた。激動の中でもたくましく、そしてしとやかに歩んできたオモニたち。余玉善会長が60周年の思いを語った。

全国大研修会も30年の歴史印す

 今年が地方参政権獲得運動「勝負の年」であることをふまえ、内容の密度を高めた。恒例の教養講座はカリキュラム数を絞り込み、その分、「参政権決起大会」に力を注いだ。

 全7地区で約2000人のオモニたちが参加したことになる。「決起大会」はこれまでも行ってきたが、今年は特に、地方選挙権の付与に賛同している議員らを招いたこともあり、各会場とも、例年にない熱気が伝わってきた。

 ある地協では10数人の議員がかけつけ、実現への意気込みを聞かせてもらった。参加会員たちも獲得への心強さを感じとったに違いない。

 会員たちからは「(いち早く実現させて)今年を最後の決起大会にしよう」との意気込みが見られた。

世代交代が進む過疎地方に活気

 締めくくりとなった東北地協は、過疎地域にもかかわらず、世代交代が進んでおり、40〜50代が中心だ。過去最多の参加者数を記録し活気もあり、とても盛り上がりを見せた。

 世代交代はこのように地方から進んでいくのが望ましいと痛感した。

 この全国大研修会は、毎年欠かさず開催し続けてきたが、今年で30年を迎えた。初期のころは畳部屋で足を伸ばしながら講師の話を聴いたのを覚えている。

継続こそ力なり…会員連帯の場に

 あの頃とは環境も、参加世代も、カリキュラムも大きく変わったが、全国のオモニたちが年に一度、一堂に会する会員連帯の場となっていることは今も同じだ。オモニ版の「ジャンボリー」と言える。

 30年間続けてきたことは本当にすばらしいことだと思う。私自身もこの研修会で大きく育てていただいた。新たな会員の発掘や、幹部の素養向上につながっている。まさに「継続こそ力」だ。

歴史資料を発掘…パネル展示会も

 人生で言う還暦を迎える婦人会だが、先輩たちがコツコツと蓄積してきた活動をしっかりと次世代に伝えたい。この思いをふまえ、記念式典を企画していく。

 初代会長もご健在だし、先輩たちの培ってきた組織をしっかりと記録として残してあげたい。

 婦人会の歴史映像をまとめたDVDをはじめ、写真パネルの展示会、歴史資料の展示などを準備している。

 大きく世代交代が進んでいる地方もあり、婦人会の歴史を知らない会員たちも多い。そのためにも、婦人会の60年間を目で見て伝える企画を考えている。過去の写真、草創期の活動資料などを発掘していく。

 各地方で婦人会の歴史的な資料があれば、是非提供していただきたい。

 在日韓人歴史資料館にも協力を頼み、「在日同胞史」の移動展示会も予定している。

60年の重み胸に全国会員で祝う

 この「還暦祝い」は10月29日に東京(ホテルニューオータニ)で開催する。式典だけでなく、地方の会員による「かくし芸大会」などのような、全国の会員たち自らが参加できるイベントにしたい。

 できれば、パーティーでの料理も一部はオモニたち手作りの味自慢を披露し合い、ふれ合いの場にしたい。

 この間、地方参政権を中心として運動や活動にオモニたちは力一杯動いてきた。そんな「疲れ」を癒す意味でも、この日は楽しい一日にするつもりだ。

 この60周年祝賀会は一人ひとりに「参加意識」を持たせるためにも、会費制にするが、今回の全国研修会でも全会員が声をそろえ「10月29日に東京で会いましょう」と約束しあっていた。

多様な文化活動…大切な参加意識

 60年という積み重ねが婦人会にとっても、在日同胞社会にとっても、大きな力となってきたと自負している。

 大きな出来事だけでも、6・25韓国戦争時、戦傷兵への慰問袋伝達、サハリン同胞の帰還運動、民族教育50時間制度への積極参与、養護施設への慰問、指紋押捺制度や法的差別の撤廃を求めた国連への要望など、数え切れないほどの運動を同胞社会の先頭に立って展開してきた。

 そして、何といっても88ソウル五輪での「1日10円募金運動」は、実にオモニたちの真心を発揮したものだ。

 当時、オモニたち皆が母国旅行のたびに思っていたことだった。

 「きれいな化粧室が少ない。世界の人たちが訪れるオリンピック。韓国に良い印象を持って帰ってほしい」

 こんな素朴な思いからスタートしたが、全国のオモニたちがコツコツと貯えた「へそくり」募金によって、韓国の名所地に固定式のトイレを、ソウル五輪会場には移動式トイレを数多く設置できた。

 このことは、今でも私たち在日オモニたちの誇りと思っている。

 そして、近年は地方参政権獲得運動にオモニたちのパワーを全開してきた。

 もちろん各地方においては、韓国料理、舞踊、合唱、書道、華道、手芸、ママさんバレー、ダンスなど多彩な文化・スポーツサークルを展開しながら、女性として素養を高め合い、同じ仲間としての絆を深めてきた。

 「良妻賢母」の精神で、在日同胞の生活向上を願いながら、民団とともに歩んできた60年だが、ある時には民団の尻をたたくことも忘れなかった。オモニたちの底力はそのまま、民団活動への潤滑油となってきたと思う。

次世代に残したいオモニたちの遺産

 婦人会活動の実績と民族ルーツの大切さを次世代に伝えながら、スムーズな世代交代を図っていきたい。

 そのような意味でも、母親の立場として、同胞子弟たちの結婚問題にも力を注いでいく。78年に婦人会大阪を皮切りに全国展開した「キューピットセレモニー」はその後、90年代に民団、青年会とスクラムを組んでの「ブライダルパーティー」につながった。今一度、オモニの力を集め、同族結婚運動を推し進めるつもりだ。

 民団にとっては妻であり、青年会にとっては母であり続けた婦人会。10月29日の「還暦祝い」には、是非とも民団、そして青年会のご協力を得ながら、一緒に祝いたい。

(2009.8.15 民団新聞)
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