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<社説>オリニ土曜学校を広げよう
 隔週土曜日の休日制導入を期にスタートしたオリニ土曜学校は10年目を迎えました。徐々に全国的な拡がりを見せ、今年に入って過半数の地方本部で取組まれるようになりました。日本の公教育の場にオリニを委ねざるをえない2・3世の保護者の悩みは、オリニの健やかな成長にとって欠かす事ができない民族的な感性をいかに育むかにあります。

■同胞とのふれあい求める

 民団のオリニに対する取り組みは、夏休みを活用した臨海・林間学校や夏期学校など短期集中型がほとんどです。民族的な自覚を育むには幼少時からの取り組みがもっとも効果的であることは言うまでもありません。しかし、短期集中型事業では同胞との連帯感や民族素養の習得に限界があり、継続的な取り組みが要求される土曜学校、あるいは民族学級が求められるのは当然と言えましょう。

 21世紀初頭の昨年から、オリニに対応する象徴的な事業として取り組んだ「オリニ・ソウルジャンボリー」は土曜学校の緊要性を同胞社会に強烈にアピールしました。ジャンボリーで驚いたもう一つの点は、分散、居住の実態と核家族化の影響によって民族的なふれあいがほとんど無いことから、大勢の友との出会いの感動は想像できましたが、幼いオリニ達が私達と同じように、同じ境遇にある友と「民族」との出会いに安らぎと歓びを感じるとは想像もできませんでした。世代を超えて、日本社会で絶えず緊張して生活している様が伺われ、胸突かれる思いでした。


■全国化をすすめよう

 土曜学校の全国化への環境は整っていると思われます。今年から土曜日全休となり、さらに取り組みやすくなったと言えます。公教育の現場では外国人の差別状況の是正をめざす「国連人権教育10カ年計画」も7年目を迎え「多民族・多文化共生社会」と「人権教育」の取り組みは一段と進んでいます。とは言っても公教育の場では、圧倒的多数を占める日本人児童・生徒向けの教育を行うことから、クラス内の外国人児童・生徒に十分な配慮が行き届かないと思われます。人権教育の基本は一人ひとりの児童・生徒に対する心のケアですが、1学級30人教室の現実ではベテラン教師としてもとまどうのが実情でないかと思われます。この点に土曜学校の必要性が求められるのです。

 土曜学校の開設の第1の意義は、同胞愛と人類愛をめざす未来志向の事業であります。第2に対立ではなく、民族共生の価値観をめざすことにあり、違いを尊重しあう心を育む場であります。第3は、アイデンティティの確立や差別の克服など、人権意識の基本であり豊かな人間性を育むことです。

 オリニ土曜学校の全国化は、民団の後半期事業の一つの柱です。一個所でも多く、取り組まれることが明日の同胞社会を築く途であります。
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