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近代における同胞女性の歴史と歩みをパネルで振りかえる企画展「ひたむきに生きた朝鮮・韓国の女性たち」が東京・新宿のNPO法人高麗博物館(原田京子理事長、樋口雄一館長)で開催されている。 植民地支配と女子教育に否定的な儒教的規範の下で生きてきた解放前。書堂や講習会に通えたのはごく一部で、圧倒的多数が不就学を余儀なくされた。では、当時の庶民の暮らしぶりはどうだったのか。在日同胞の崔命蘭さん(87)からの聞き書きをもとに「崔家の嫁の一日」として紹介している。 19歳の長兄に16歳の嫁が来たのは、崔さんが3歳のとき。朝はまだ薄暗いなか起きて食事の支度をし、夫と一緒に田畑で夕方まで農作業。仕事がないときは朝から1日がかりで洗濯と糊付け。夕食後は針仕事などに追われていたという。 一方、教育の機会に恵まれた女性たちは、伝統的な価値観や慣習からの解放を求め、全国的な統一女性団体「槿友会」を結成するなど、女性の地位向上をめざして様々な運動を繰り広げた。こうした女性解放運動はやがて抗日運動へと発展していった。 解放後の歴史では「賢母良妻」を全面に掲げて在日本大韓民国婦人会(呉基文会長)が誕生したことも紹介している。婦人会品川支部の結成式の写真(在日韓人歴史資料館提供)には在りし日の呉会長の姿も。婦人会東京本部(河貴明会長)が取材に協力した。 樋口館長は、「在日の戦後の歴史を見ると、社会運動家ばかりスポットがあたりがち。だが、民族的な伝統を守り、生活の底辺で在日社会を支えてきたのは女性たちだった。そのことを知ってほしかった」と話している。 展示資料は説明パネル30枚のほか、絵はがき、パンフ類など約50点。11月30日まで(12〜17時、月・火曜日休館)。400円。同館(電話、FAX03・5272・3510)。 (2014.9.24 民団新聞) |