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ヘイトスピーチ規制を…「恐怖と憤怒交差」法務省初実態調査
被害当事者ら切実に訴え

 法務省人権擁護局は特定の人種や民族への憎悪と差別を扇動するヘイトスピーチに苦しむ在日同胞被害者らから聞き取り調査した結果の概要をこのほど、明らかにした。日本政府としてはこれが初の調査。人権擁護策を充実する基礎資料とする考えだ。

 期間は今年の1月から3月まで。ヘイトスピーチデモの多発する東京都新宿区、川崎市川崎区、大阪市生野区の3カ所で、男性11人、女性9人と面談した。対象者の年代は20から70歳代までと幅広い。新宿区と生野区では、地域の日本人住民6人にも聴取した。

 生野区在住の女性(60代)は「デモを見たときはまず、憤怒を感じた。朝鮮人出て行けといわれても、出て行けないからいるのであって、ちゃんと歴史を勉強してほしい」と嘆いた。

 同じく「恐怖を感じた」という女性(40代、生野区)もいた。「それまで在日であると名乗ることにそこまで恐怖を覚えなかったが、今は町中でもそこらへんで話しをしている人が韓国、北朝鮮、在日、慰安婦問題の話をしているとびくっとする」

 法務省の啓発ポスター「ヘイトスピーチ、許さない」には期待の声も。川崎区在住の女性(40代)は、「日本人がやっていることに重みがある。差別はだめだと、声を上げてくれる人がこの国にいっぱいいるという証になる」と新聞やメディアへの発信に期待感を表明した。

 一方で「やめなさいとか、人権侵害ですとか、もっと強い表現にできないか」(70代、川崎区)と不満の声も聞かれた。さらに「禁止する法律を作って欲しい」という声もあった。

 大阪市天王寺区在住の20代女性は、「このポスターができてからも、状況は何も変わっていないから、形だけポスターを作ったと思っている。最初から行われないように、やったら法律で罰せられると決めて欲しい」と強調した。

 法務省が公開情報などから発生件数を調べた結果、2012年から15年までの3年半に発生したヘイトスピーチデモは1152件だった。内訳は13年が347件、14年378件、15年190件(1〜9月、年換算で約253件)。法務省はこの数字に、「相当程度、減少している」としながらも「沈静化したとはいえない状況」と見ている。

 参議院で理念法とも言うべき「人種差別撤廃施策推進法案」の成立をめざしている有田芳生議員は自身のツイッターで、「内容と分析には不十分なところがあるが、被害者からの聞き取りは重要。こうした実態をバネに、今国会中に法整備を実現します」とつぶやいた。

(2016.4.6 民団新聞)
 
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