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| フラッシュ同胞企業人(16) 食品容器づくり多彩に |
| | 1944年埼玉県栗橋生まれ。立正大学経済学部卒。67年日南化工（本社・埼玉県桶川市）設立。民団中央副議長、東京慶尚北道道民会会長。息子３人、孫４人。 |
プラスチック成型加工
日南化工の南照男会長
アイスクリームやチョコレート、水ようかん、コーヒーといった食品類をはじめ、脱臭剤や化粧品の容器類、水道配管の継ぎ手など、手がける製品は多岐にわたる。いわゆる「多品種少量」で大手メーカーからの委託生産に対応する。
「食品関係の容器だけで50〜60種類にのぼる。１個でも不良品が出れば、すべて回収しなければならないので、気が抜けない」。今では、機械が自動で不良品を選別するものの、最終検査は人間の目だ。
アイスクリームの場合、ハーゲンダッツやロッテ、雪印、明治、森永、グリコなど、取り扱う容器は大手メーカーのものがほとんど。「異なる会社の商品を同じ形にはできないので、いずれも微妙に違えている」
父親がプラスチック事業を家内工業で行っていた関係で、大学卒業と同時に、新会社を東京に設立した。当時、「韓国人の就職は難しかった」からだ。
厳格な品質管理
最初は親の支援で始まったが、「営業から納品まですべて自分でやった」。三菱商事や三井商事など商社の紹介を受けながら、コツコツとメーカー回りを続けた。
そのかいあって注文が増え始め、69年に現在の埼玉・桶川に工場を移転した。多種多様な注文に対応するため、工場を徐々に増設、95年には近くに第２工場を新設した。06年度売上額は約23億円、社員は約130人。
「この業界は、簡単に参入しやすく、過当競争が厳しい。しかし、この10年間で中国にシフトするメーカーが増えたので、かなりの数が淘汰された」。３交代制の24時間作業で、「以前は休日も少なく、神経の休まる日がなかった」。現在の残業なしは、「夢のようだ」。
「容器は日配物なので納期が短く、品質管理が大変だ」。その大変さが幸いし、中国へのシフトはできない。
食品の容器類は、冷蔵庫の脱臭剤「キムコ」の容器と合わせて全体製品の半分を占める。お菓子から薬まで多方面で活用されている脱臭剤（脱酸素剤）は、月間１億個も生産する。膨大な量だ。
他分野に進出も
「食品は衛生管理・品質・環境が大切。特にゴミを嫌うので、整理・整頓・清掃・清潔が基本で、日々改善をめざしている」。
近年、原油などの材料費が上昇する一方で、製品は値下がりしている。「ダブルパンチだ。値上げができないので、打開の道は工夫するしかない。コスト削減するには改善が必要で、他社に先駆けた新商品も工夫しなければならない」。改善箱の設置や、社員のサークルごとに改善案の発表会などを行っている。こうして出来上がった製品をスーパーなどの店頭で目にすると、「とてもうれしい」。
今年10月に会長に就任したばかりだ。「時代の流れが速い。どんどん進化するコンピューターについていくのは大変。そこで、若い人（次男）へのバトンタッチを早めた」
今後の計画については、「新しいデザインによる付加価値の高い製品の開発が重要。他分野への進出も検討したい」と語る。まだまだ意欲旺盛だ。
（2007.12.5 民団新聞）
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