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第66回光復節慶祝辞…民団中央本部団長 鄭進

「国政参与」へ健全な土壌を
民団の責務重大に…不純な政治工作断固排す

 親愛なる在日同胞の皆さん。そして、本国国民及び海外同胞の皆さん。

 私はまず、「東日本大震災被災者支援民団中央対策本部」の本部長として、犠牲となられた方々を哀悼するとともに、遺族や被災された方々が1日も早く悲しみと苦境を乗り越えるよう願い、各種支援活動に力強く参与した皆さんに対し、深甚なる敬意を表します。

大震災を乗り越え

 本団は震災発生後直ちに、「中央対策本部」を設置し、同胞はもとより日本人被災者も対象に緊急支援を行い、生活必需品の提供や炊き出し、医療支援、義捐金の募金・伝達などに全力を傾けてきました。復旧・復興への道のりは長く険しく、本団はこれからも、共生理念を掲げる地域住民団体として支援活動を継続する方針です。

 今年10月に創団65周年を迎える本団は、次世代育成と組織基盤の拡充を着実に進めて在日同胞社会の統合体としての地力を養い、地方参政権獲得運動においても局面の打開を探る一方で、全く新しい課題である在外国民選挙参与運動に集中して取り組む方針を掲げてきました。

 東日本大震災が本団の事業行程にも大きな蹉跌をもたらしたとは言え、激甚被災地の民団本部が懸命に態勢を立て直した今、全国一丸となって本来の事業を正常軌道に乗せ、推し進める条件は整っています。

 親愛なる在日同胞の皆さん。

 私たちは、光復節であり大韓民国の建国記念日でもあるこの日を迎えるたびに、新たな躍進の姿を見せる祖国に誇りを覚えながら、韓半島南北と海外すべての同胞がよりよい未来を手にするために、在日同胞と本団にどのような使命が課されているのか、確認し共有する努力を重ねてきました。

 そのような私たちを励まし、この日を一段と輝かせる大きな贈り物がありました。先月初旬、江原道・平昌が10余年の執念を実らせ、圧倒的な支持を得て2018年冬季五輪の開催地に決まったのです。私は直ちに、在日同胞の総力を挙げて支援することを表明しました。

 88ソウル五輪で韓国は、第2次世界大戦後に独立した新興国初の開催地として、軋轢が強まっていた豊かな北半球と貧しい南半球を結び、分断国家として、オリンピックにまで持ち込まれていた東西の対立を融和へと導く歴史的な使命を担いました。東西と南北の交差路に位置する負荷をバネに見事成功させ、韓国を国際社会の一段高いステージに押し上げました。

 18年平昌冬季五輪で韓国は、人種・民族、宗教・文化の差異を超えるオリンピック精神を具現すべく、五輪史と国際社会に「新たな地平」を切り開く決意です。しかし、平昌五輪までの道のりは決して平坦ではありません。

18平昌五輪が象徴

 私は、平昌五輪の成功は大韓民国の在り方と韓半島情勢に深く関わるだけに、韓半島問題の解決に大きな一歩を踏み出す象徴になるものと確信しています。

 平昌五輪の会期中までに韓国は、2度の国会議員選挙と2度の大統領選挙を行い、政権を2度交代させます。しかもこの間、3代目への世襲を謀る北韓独裁は、極度に不安定な権力移行期にあり、これが韓国の政治的な葛藤に連動することは明らかです。

 韓半島の分断構造は、南北間の格差拡大や北韓における不条理の積み重ねによって地殻変動期にあり、新たな秩序の形成を強く促しています。平昌五輪までの行程は、我が民族の将来にとって極めて重要な時期と重なっているのです。大韓民国が一流先進国家としての盤石な基盤を築き、その先に先進統一国家を展望する正念場と言えましょう。

 来年4月の第19代国会議員選挙、12月の第18代大統領選挙から、1票を投じることになった私たちの責務も、かつてなく重大となりました。本団は在外国民選挙参与運動に、その責務に見合う覚悟を持って取り組まねばなりません。

 本団がこの参与運動を本格的に始動させるにあたり、私は全国の幹部をはじめとする団員皆さんといくつかの原則を確認し、心を一つにしたいと思います。

生半可ではできぬ

 この運動の目的は大きく二つあります。一つは、在外国民に与えられた国政選挙権を有効に行使するために、在日国民の一人でも多くが選挙人登録を行い、一人でも多くが投票するよう働きかけることです。もう一つは、国政選挙権を行使するにふさわしい在外国民としての自覚を育み、在日同胞社会に政治的な葛藤を持ち込ませず、公明で健全な選挙が行える土壌を培うことです。

 いずれも、生半可な姿勢で推進できるものではありません。第一の課業は、選挙人として潜在的な資格を有する同胞を掘り起こし、個々人の抱える隘路を解決しながら、自らの意志で選挙人登録へと導くことが基本です。宣伝・弘報を継続的に行い、戸別訪問を徹底しなければなりません。熱意と足腰の強さの問題と言えましょう。

 より困難なのは、もう一つの課業です。韓国には言うまでもなく、与党・野党があり、様々な理念や政策を掲げる政党、政治人が存在します。ばかりか、北韓独裁に追従する勢力も在日の従北勢力と連携を強め、侮れない存在になっています。それぞれの立場から在日有権者への働きかけが強まるのは必定であり、在日社会に政治的党派性が持ち込まれ、新たな火種を生み出しかねません。

不偏不党の原則で

 尊敬する全国団員の皆さん。

 私たちはこれまで以上に、大韓民国と一体となって歩んできた本団の歴史を学び、伝統を噛みしめるべきです。

 本団は、在日同胞の民族的共同体を基礎とする生活者団体として結成されて以来、団員個々人の政治的、宗教的な信条は尊重しつつも、特定の政治・宗教勢力とは一線を画し、組織的な浸透を容認しない姿勢を明確にしてきました。

 大韓民国の樹立後、その在外国民団体として組織力量を拡大し、祖国の危機には身を投げ打ち、国力強化のためには血涙を絞り、本国国民と常に呼吸を同じくしながらも、国内の政治問題に対しては、この65年間、不偏不党の立場で一貫してきたのもそのためです。

 しかしそれは、私たちが政治の傍観者であることを意味するものでは断じてありません。

 本団には、大韓民国の正統性を否定し、憲法秩序を踏みにじる勢力を増殖させる一方で、韓国が営々と築き上げてきた成果に寄生するか、奪うことに執着し、それが叶わなければ武力挑発をいとわない北韓独裁と、それに追従する諸勢力とは決然と対決し、排除してきた歴史があります。

 私たちが堅持してきた不偏不党とは、あくまで、大韓民国の正統性と憲法秩序を順守する範疇においてのみ適用される原則であり、北韓独裁と追従勢力を容認するものでは断じてありません。本団のこの伝統とも言うべき組織的な立場は、在外国民選挙権を行使する時代においてこそ、より徹底されなければなりません。

歴史的使命担おう

 尊敬する全国団員の皆さん。

 私たちは毎年の今日、不屈の民族精神と、成功の歴史を刻んだ大韓民国の国民としての記憶を覚醒させてきました。

 1919年の3・1独立運動によって一つになった我が民族の底力と、過酷な植民地支配下にあってもそれを培い、牽引した愛国啓蒙運動や独立運動の闘士、祖国分断にともなう葛藤と消耗を余儀なくされながらも、民主先進国家への土台を築いた産業化有功者らの偉業は、今なお私たちを勇気づけるものがあります。それは、苦楽をともにしてきた私たちの精神的遺産であり、勲章です。

 第2次大戦後の世界で、侮りを受けた最貧国から称賛と尊敬を得るまでになった国を、私は大韓民国のほかに知りません。韓半島の地殻変動期を好機に転換させ、必ずや先進統一国家の建設を主導するでしょう。

 私たちも、本国における政治的な葛藤や南北関係の激変にも揺るがない態勢を固め、より豊かな民族社会を実現する大韓民国の歴史的使命の一翼を担い、在日同胞すべてを糾合する力強い求心体となる決意を新たにしましょう。

(2011.8.15 民団新聞)
 

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