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とっておき韓日通訳秘話《5》 矢野百合子さん(中)
物言いの裏の真実探り…本質の伝達こそ使命

 韓国語と付き合いはじめて早いもので30年。なぜ韓国かと聞かれても、うまく答えられない。閉塞状態の日本に苛立って、たまたま行った韓国のエネルギーに圧倒され、引きずられるように留学した。79年の朴大統領暗殺のひと月前のことだ。その後ソウルの春と光州事件、民主化の高揚と弾圧、友人たちの逮捕・投獄、学生や労働者の焼身自殺と揺れ続けたかの地で、私は日本語を教えながら韓国の家庭に入った。

 連れあいが破天荒な運動系(スポーツではありません)だったので、新婚家庭は大学を追われた後輩のたまり場と化し、人数を数えて食事を出す毎日。しかも彼らは堂々と私の料理を「まずい!」とのたまう。

 亭主は「男子厨房に入らず」を実践する。頭にきて炊事や片づけを当番制にしたり、台所からしか部屋に行けない家に引っ越したり。先輩の奥方には「次こそは男の子を」とムカッとするような激励をされ、道では赤子を背に重い荷物をもった女性が必死で夫について歩く姿も見かけた。

 民主化されれば男尊女卑もなくなる、それまで我慢しろと言いきった後輩君、予想以上に強くなった現在の韓国女性に戸惑っているだろうな。いい気味でもあるけど、昔から陰で韓国を動かしてきたのは女性のパワーでは。そんなこんなの庶民生活、分かち合いの生活が私の韓国語の原点となっている。

 韓国特有のある意味でストレートな物言いの裏にある感情を懸命に探り、言わんとすることを把握し理解すること。相手の心に飛び込んでいくこと。私の通訳もまた然り。話者の心を探って訴えたいことの本質をつかむのが好きだ。

 同時にそれは正確さとは別の次元で要求される冷静さや中立性において私の弱点でもある。日本軍の「性奴隷」とされたハルモニの証言で喉が詰まってしまったり、見え透いた発言だと声が冷たくなってしまう。金大中大統領の就任式の生中継では一挙に過去が蘇り、ブースの中で涙が止まらず同僚に笑われてしまった。

(2005.10.26 民団新聞)
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