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長崎の書画家 渡邊美奈子さん 生活に溶け込む作品目指し ハングルに花や蝶などの模様を施し、デザインを重視した作品を作るハングル書画家、渡邊美奈子さん(41、長崎市)はハングルと出会って書道の世界が広がったと話す。 6月に東京都内のギャラリーで開催した個展「 出逢い〜書・水墨・篆刻」では、華やかな雰囲気の作品が目を引いた。 2002年、都内と神奈川県内の書塾で講師をしていた時、家族旅行でソウルに行き、仁寺洞で見たハングル書芸に惹かれた。当時30歳。「書道家になるには自分のスタイルを持っていない。既婚なので、書道は趣味だけにして子どもを産んで専業主婦になるか」と悩んでいた。 「その時にハングルを見て、作りたい作品の雰囲気に役立つと思った。新しいことに挑戦できるならと最後の決断をした」 夫の仕事の関係で引っ越した長崎で、最初に取りかかったのは韓国語学習だ。4年間、ひたすら勉学にいそしんだ。その間にハングル書芸に関する情報収集、恩師となる韓国・忠清南道瑞山市に住む書芸家の李明煥さんを探し出す。李さんから通信教育で4年間学んだ。 外国人だから出る疑問もある。例えば、母音の縦線を直線につなげるように合わせる意味が分からない。「ハングルは必ず1本の縦線を守る。日本の仮名書道にはないもの。でもそこが奥深いからこそ魅力」 デザイン性の高い作品を作ったのは、書道文化全体の将来を案じてのこと。年々、書道を習う人が少なくなっている。そこで考えたのが、生活の中でインテリアとして楽しめる書作品だった。 書は中国書法の影響を受け、韓国でハングル書芸が、日本で仮名書道が誕生した。だが日本ではハングル書芸はあまり知られていない。一人の書家が3国の書を学ぶことで、疑問も発見もある。 「それに歴史的な背景もあって、日本人が頑張っているという姿を見せるのは韓国や中国に対してもいいことかなと思う。他国のことを知れば自国が見える。韓国に触れれば触れるほど、日本文化も何とかしたいと思うようになった」 夢は韓国で個展 「最初はオリジナルの作品を作りたいという自分勝手な希望だったが、だんだん李先生や応援してくれる皆さんへの感謝の気持ちと目標などが出てきた」。夢は韓国で個展を開くこと。「まだまだ修行です、書道は一生勉強」 (2012.7.4 民団新聞) |