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「地震」「放射能」「円高」の3重苦 頭をかかえる日本語学校 昨年3月の東日本大震災を境に、日本に来る韓国人留学生が激減している。特に、福島県の原子力発電所事故により、東北地方を避ける留学生が増えており、韓国のほか、中国や台湾からの留学生数が落ち込んでいる。大地震に加えて、原発事故と円高が追い打ちを掛けたかっこうだ。 韓国人が多数住む東京・荒川区。JR日暮里駅近くの赤門会日本語学校(朴時賛理事長)は4月初め、入学式を行ったが、400人近い新入生のうち、韓国人は120人ほど。以前に比べて半減した。かつては韓国人主体の運営を続け、これまで韓国人卒業生だけで累計1万人を超す。 それが東日本大震災で一変した。「昨年の入校予定者のうち、韓国人のキャンセルが40%、100人に達した。今年3月にも15〜20%のキャンセルがあった」と、朴理事長はお手上げの様子。とりわけ福島原発の影響が大きく、韓国の場合、日本行きに猛反対する両親が多い。 留学生に生活情報などを提供する大悟(東京・高田馬場)の朴泰文社長によると、「地震・放射能・円高」の3重苦が重なったため、韓国人留学生が半減した。東北地方にはほとんど関心がなく、関西や九州など西日本への留学に関する問い合わせが増えているという。 最近、青年が就労しながら滞在できる「ワーキング・ホリデー」の枠を韓日間で1万人に増やしたことから、この制度を利用する短期留学生が増える一方で、長期留学生が減少した。韓国人が多数居住する地域では、人手不足のため時給800〜900円が1000円に上がるなど、経営者にとっても頭の痛いところだ。 韓国や台湾の留学生に代わって、増加しているのがベトナムやタイ、ミャンマー、インドなど東南アジアからの留学生。入国管理局の統計によると、2011年末現在の外国人留学生数は18万8604人で、前年に比べて6・4%減少した。 文部科学省の「留学生30万人計画」が推進される中、留学生数は毎年増加傾向にあったが、大震災でつまずいた。特に、被災地東北3県の落ち込みがはなはだしく、11年末現在の留学生減少率は、前年比で岩手県14・1%、宮城県21・0%、福島県28・6%であった。被災地の場合、韓国人だけでなく中国人も大幅に減少している。 「留学生全体で見ると、申請者数は減ったが、20万人前後で推移している。もう少し落ち着けば回復するのではないかと思う。それよりも日本の国際化、グローバル化が緊急の課題だ」と、朴社長は指摘する。 (2012.5.9 民団新聞) |