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韓国にしみ入る叙情性 ピアニスト倉本裕基さん(04.12.8)
倉本裕基さん
若者が詰め掛けた韓国でのサイン会
素直な土壌と共鳴
日本への閉鎖感さえ拭う

 今年、日本で一大旋風を巻き起こした「韓流」。一方で、日本産ドラマや映画、音楽の韓国進出は苦戦を強いられている。

 しかし、90年代末以降、韓国人から絶大な支持を集めている日本人アーティストが存在する。

 倉本裕基。最近は韓流の影響で日本に逆輸入という形で知名度が上昇しているニューエイジ・ピアニストである。彼の韓国での人気は日本での韓流をも吹き飛ばす絶大なものだ。

 93年、文化開放に向け日本語歌詞がないインストゥルメンタルCD数枚が韓国の外資系CDショップに置かれた。倉本氏の音楽はこの時、韓国にもたらされた。98年に韓国のレコード会社・C&Lミュージックから「追想〜Reminiscence〜」韓国版が発売されると彼の澄んだピアノの音は瞬く間に多くの韓国人の心をとらえた。

 「私の音楽が韓国で広まったのはCDショップの勧め売りや、93年から聴いてくれていたリスナーたちの口コミの力ですね。日本はあの当時、すでにドラマやCMのタイアップがついた音楽が売れる、という風潮ができあがっていた。韓国はまだそういったしくみが形成されておらず、『テレビでよく聴くから』『流行っているから』ではなく、純粋に音楽だけを聴いて判断する土壌があったんだと思います」

 派手な抑揚をつけ大衆受けを狙った仰々しいインストゥルメンタルとは異なる、倉本氏が創りあげる目を閉じればストーリーが浮かぶような叙情的なメロディーは、音楽が産業化されてしまった日本ではなく、素直に音楽を楽しむ韓国で先に正当な評価を受けた。

 99年にはソウル・芸術の殿堂コンサートホール(アートセンター)で初の韓国公演を行った。今年5月には韓国ツアーを世宗文化会館などで行い、2万人を動員した。コンサートのチケットは完売が続き、客席には10、20代の若者の姿が目立つ。売り上げチャートにおいても、03年に発売した「Concertino」が総合1位を3週にわたって獲得し、ランキング上位を倉本氏の歴代アルバムが占拠する日々が長期に続いた。数々の音楽雑誌の表紙を飾り、サイン会はまるでトップ・アイドル歌手のそれだ。

 倉本氏は良質な音楽を提供することによって、韓国人の心に根付く日本人に対しての閉鎖感まで払拭してしまった。

 「韓国にはとても感謝しています。日韓の文化が行き来することはとてもいいこと」

 日本にも、以前から倉本氏の熱狂的なファンは多数存在した。彼らは、倉本氏の音楽が韓流の一環として日本で知られていくことを複雑な気持ちで受け止めている。韓流が単なるブームで終焉を迎えてしまうのではないか、倉本音楽の本質的な部分を見てくれるのだろうか‐。煽るだけあおり、冷めた後は見向きもしないメディアに振り回されていないだろうか、という危惧もある。それら不安の救いは、韓流を通じて倉本音楽を知ったリスナーからの「とてもよかった。こんなにいいならもっと早く出会っていたかった」という純粋な声だろう。

 「私自身は何も変わっていない。今も昔も、自分がやりたい音楽にしっかり本気で取り組んで創っています」

 ジョークを飛ばし、快活に笑いながらも、こと音楽の話題になると誤解がないように真剣にじっくりと話をしてくれる。11月にはプラハで収録したアルバムを発表し、今月には日本国内の代表的なコンサートホールでツアーを行う。来年には韓国、そしてアメリカでのコンサートも予定されており、精力的な音楽活動を続けている。韓国人ミュージシャンからの熱望を受けて作曲した楽曲も発表されるだろう。倉本作曲のK‐POPが韓国を席巻する日も近い。

 まず、音楽ありき。倉本裕基は、自身の音楽を純粋に受け入れてくれた韓国人たちと同様に、自分が追求する音楽を求め創りつづけている。

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プロフィール

 1951年、埼玉生まれ。ピアニスト、作編曲家。6歳からピアノを始め、東京工業大学理学部応用物理学修士課程卒という音楽家としては異色の経歴を持つ。在学中よりプロの音楽家として活動をはじめ、86年CDデビュー。98年、韓国でCDをリリースすると瞬く間に大ヒット。ペ・ヨンジュン、シン・スンフン、ユンソナら芸能人からも絶大な支持を得る。韓国でもっとも人気、知名度の高い日本人アーティスト。

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最新アルバム

 「ハートストリングス・アゲイン」

 2800円 日本クラウン

 チェコ・プラハにてストリング・オーケストラとの共演を収録。ロマンティックな珠玉の楽曲14曲収録。

(2004.12.8 民団新聞)
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