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| 大舞台でも「つねにぶれない」という思いを持って大役に挑戦する梁邦彦さん |
ぶれずにチャレンジを梁邦彦さん(音楽家・作曲家・ピアニスト) 平昌冬季五輪の開・閉会式の音楽監督を務めるのは在日2世の梁邦彦さんだ。4年前のソチ冬季五輪閉会式でも「平昌」紹介公演・音楽監督の大役を果たした。
「大イベントを担当させていただくのはもちろん光栄だし、目の前に迫っているので正直、プレッシャーはあります。でも、そんなことは言ってられないという、いろんな思いが交差しながら突っ走っている感じです」
ソチ五輪は次回開催地を紹介する8分間のショーだったが、今回は根本的に違う。
「自分が担当する音楽がどういう形で皆さんに届くのかを考えつつ、要素を踏まえながら自分に何が出来るかというチャレンジでもあり、毎回、ハードルは低くないですよね」
60年、東京生まれの在日韓国人2世。80年代に医師から音楽家に転身し、浜田省吾のバックバンド、アレンジプロデューサーなどを経て、ジャッキー・チェン主演映画「デッドヒート」のサントラ制作や、ロンドンオーケストラとのアルバムレコーディングなどを行ってきた。96年にソロデビューした後、韓国を中心に活動し、現在、両国を往き来しながら活躍している。
音楽家として大事にしてきたのは「ぶれない」こと。
「1年、3年、5年後にどうなっていたいのかという長期的なビジョンを持って、梁邦彦という名前でやっていけるために何をするかというのが前提なんです」
この間、音楽家としてさまざまな分野に新境地を開いてきた。そのひとつが、人気テレビアニメの「十二国記」(NHK‐BS2)、「英國戀物語エマ」「暁のヨナ」をはじめ、中井貴一主演映画「アゲイン」やドキュメンタリーなど、映像音楽の仕事だ。
「十二国記」は、韓国と中国では放送されなかったにもかかわらず、大人気となった。その後両国のアニメやオンラインゲームの会社から、「十二国記」のようなものを作ってほしいと依頼された。
「彼らに会ったことはないけど自分の作品が歩いて行ってくれる。例えば中国の方からは『平昌五輪もやるんですね』とか、『あなたはゲーム以外の音楽もやるんですね』という話になって、いろんな形でつながっていくのが面白い」
梁さんはソチ冬季五輪以外に第18代韓国大統領就任式祝賀公演(13年)、ユネスコ創設70周年記念公演(15年)などの公的行事で音楽監督を務めた。
「オリンピックや一大行事にかかわらず、その時に基本として大切にしているのは、『この人とやって良かった』と僕も思いたいし、相手からも思ってもらえる形で過程も含めて着地したいですね」
音楽と真摯に向き合ってきた梁さんの気持ちを乗せた旋律が平昌から全世界へ響き渡るはずだ。 (2018.01.01 民団新聞) |
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