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旧軍人・軍属遺骨101体返還 日本政府が徴用責任認め謝罪
追悼式会場に入る韓国人遺族50人(東京・祐天寺)
60余年ぶり 「遅すぎた」の声も
韓国から遺族招き追悼

 日本政府は22日、東京・目黒区の祐天寺で「韓国出身戦没者還送遺骨追悼式」を行い、韓半島出身の旧軍人・軍属の遺骨101体を遺族に返還した。遺骨の返還にあたってこれまでにも慰霊祭を行ったことはあったが、日本政府が渡航費用を負担して韓国から遺族を招いたのはこれが初めて。遺族の心情を思いやり、弔慰金も従来よりわずかながらアップした。

 04年の韓日首脳会談で盧武鉉大統領が当時の小泉純一郎首相に徴用韓国人の遺骨調査を要請して以来、これだけまとまった数の返還が実現したのは初めて。

 祐天寺祐光殿で行われた追悼式には日本政府を代表して外務省と厚生労働省の双方から副大臣が出席し、強制動員で死に至らしめたことへのお詫びの言葉を述べた。韓国政府からは強制動員真相糾明委員会の全基浩委員長と柳明桓大使がそれぞれ弔辞を述べた。最後に在日韓国人の舞踊家、金順子さんが鎮魂のサルプリを舞った。

 遺族には日本政府から犠牲者ひとりあたり弔慰金として30万ウォンが贈られた。65年の韓日国交正常化以降、1159体の遺骨が返還されてきたが、これまでは遺族に20万ウォン(韓国政府が半額負担)が支払われたにすぎないだけに、一定の前進といえよう。強制動員真相糾明委員会関係者によれば、韓国政府からも同額の弔慰金が上乗せされるという。

 これに対して遺族を代表して弔辞を述べた金慶逢さん(71)=ソウル市=は式典後、記者団を前に「なぜこれほどまで解決が遅れたのか。怒りと悲しみ、憤りで胸が張り裂けそうだ」と心情を吐露したが、最後は「私の兄については終止符を打ちたい」と述べ、怒りを胸に納めた。

 日本政府によれば、旧日本軍が韓半島から徴兵・徴用した兵士と軍属の総数は24万4000人。このうち2万2000人が死亡したとされる。残された遺骨は厚生省が保管してきたが、71年6月に祐天寺に預託された。今回、返還された遺骨は韓国に本籍があり、真相糾明委員会の調査で遺族の判明した288体のうちの一部。残る遺骨も順次遺族に返還される。

 祐天寺に保管されている韓半島出身者の遺骨奉安事業は、民団中央本部が95年に「光復50周年事業」として打ち出して以来の懸案だった。ようやく13年目で実現したことに、民生局在任中にこの問題に長く取り組んできた李鐘太事業局長は「感無量」と語った。

韓国側意向? 「閉ざされた式典」

 今回の追悼式典に出席できたのは、当事者遺族と韓日両国政府関係者だけだった。当初はマスコミも排除されていたが、急きょ、冒頭の黙祷場面に限って写真撮影が許可された。「日韓の歴史にとって大きな意味を持ち、歴史的な和解への1歩になる」と期待していた市民団体関係者の落胆は大きかったようだ。「国民の目に触れさせまいとする閉ざされた式典」と批判する声すら聞かれた。

 「閉ざされた式典」との批判について、厚生労働省は「遺族の心情を踏まえ、静謐な環境で追悼式を実施するため」と釈明した。これは「韓国政府と協議した結果」だとも述べた。しかし韓国側の主張を聞くと、ニュアンスの違いが浮かび上がった。

 韓国側は政府間協議の席上、「韓日の平和と友好のためオープンな形でやるよう一貫して主張してきた」という。「少なくともこうした閉ざされた形で行うよう韓国側から積極的に希望したという事実はない」と、朴聖圭強制動員真相糾明委員会事務局長は戸惑いを隠さない。2月にも東京で予定されている遺骨問題の政府間協議で抗議する姿勢すらにじませた。

 軍人・軍属の遺骨返還は「氷山の一角」でしかない。韓国側にとっては民間徴用者の遺骨探しのほうが本丸ともいえる。厚生労働省のこうした閉鎖的な姿勢は市民動関係者の不安を呼び起している。

■□
やり場のない怒り噴出
「望郷の丘」

 【ソウル】忠清南道天安市の国立マンヒャンエトンサン(望郷の丘)で23日、遺骨の安置に先立って奉安・追悼の式典がしめやかに執り行われた。日本からも民間徴用者の遺骨探しに奔走してきた強制動員真相究明ネットワークの関係者3人が同席した。

 韓国政府を代表して追悼辞を述べた行政自治部の韓凡悳第二次官は、祐天寺に残された遺骨の返還に向け、引き続き最大限の努力を傾けると誓った。

 日本政府を代表して出席した重家俊範駐韓大使は「過去の植民地支配で多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受け止め、これに対し痛切な反省と心からのおわび」を表明した。大使が弔辞を読み上げている途中、遺族席からは「なぜ、これほどまでに遅くなったのか」と抗議の声が浴びせられた。

(2008.1.30 民団新聞)
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