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国籍や民族など文化的な違いによる偏見と差別の解消を目指し、性的マイノリティー(LGBT)差別も認めないという東京都世田谷区の新条例が2日、区議会本会議で可決、成立した。条例に基づき、外国籍を理由とした入居差別や就職差別など不当な取り扱いを受けたときは区長に苦情を申し立てることができる。施行は4月1日から。
LGBT差別も認めず
名称は「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」。「男女共同参画社会」と「多文化共生社会」を形成することは、すべての人が多様性を求め合い、人権が尊重される社会の実現に寄与するものだと考え、条例の目的とした。
区では「日常生活や社会生活において、性別などの違い、または文化的違いによる差別によって活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁を取り除くことが重要」だとしている。
ましてや2020年東京五輪・パラリンピックを前に国際化が進んでいるだけに「個の多様性を尊重しながら共生社会をどうやってつくっていくか」は差し迫った課題。18年度に検討を行い、多文化共生施策に関する行動計画を新たに策定していく予定だ。
注目されるのは第4章「苦情処理」。骨子案では苦情処理規程は漠然としていたが、パブリックコメント(意見募集)を踏まえて「しっかり」位置づけた。
区長は申し立てを受けるや速やかに調査し、必要と認めるときは区長の付属機関「男女共同参画・多文化共生苦情処理委員会」に審議をゆだねることができる。
民族的少数者に対して差別扇動行為を行うヘイトスピーチについても当然、「条例のもとにしっかり取り組んでいく」。このほか、ヘイトスピーチを伴う集会などの施設使用の可否や、性的少数者らが公共施設を利用する際の対応に不備がないかどうかも該当しそうだ。差別的な落書きや動画による名誉毀損(きそん)、入居拒否、就職差別など、区の業務以外の苦情も受け付ける。
(2018.3.7 民団新聞) |
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