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<社説>ペイオフ延期と同胞系信組の支援
 来年4月予定のペイオフ(預金の払い戻し保証額を元本1000万円とその利息とする措置)の全面凍結解除を日本政府は7日、2年延期し、2005年4月から実施することを決めました。
 これは、金融システムが非常時であるとの認識から、ペイオフ解除を強行すれば、預金者の混乱を招き、金融危機の引き金になりかねないと判断したからです。いずれにしても日本政府の金融政策の転換と言わざるを得ません。

■自助努力 一層求められる

 日本の金融システムの健全化は90年代半ば以降、日本経済にとって最大の政策課題でありました。しかし、未だに長期的なデフレ不況の泥沼から抜け出せず混迷は深まるばかりです。

 今回のペイオフ延期の最大の要因は不良債権処理の遅延によるもので、改善が必要なのは中小金融機関ではなく大手銀行なのです。即ち、大手銀行の体力低下を証明したことにもなるでしょう。

 多くの預金者は「健全性=資金力」との認識から、定期預金が全額保護されなくなった4月以降、大手銀行に預金を移動しました。この預金移動を憂慮した中小金融機関業界では「健全金融機関でも預金流失に備える必要があり、資金調達手段が限られている中小金融機関に深刻な影響を及ぼす。中小・零細企業への安定的かつ円滑な資金供給源が困難になる」と指摘しながらその対応策に奔走してきました。当然ながら、同じ中小金融機関である同胞系信組も同様であります。

■いまこそ一丸となって

 幸い、ペイオフが2年延期され、多少の時間的な余裕はできました。この2年間で同胞系信組は強固な経営基盤を確立しながら、地域に根付いた「コミュニティバンク」として、在日同胞の零細・中小企業事業者への資金供給源としての役割に向けて更なる自助努力が求められています。

 韓日両国政府の政策的な支援を得るのはもちろん、信組相互の互助制度や業務提携による新商品開発など、全国に有する125店舗の営業拠点を最大限に活用したシステムを構築することではないでしょうか。また、更なる経営効率、資本充実に向けて広域での再編・統合も視野に入れた経営基盤の強化も取り組まなければなりません。

 私たちは同胞経済の再生には民族金融機関が不可欠であることを再三にわたって確認してきました。そして、ペイオフ全面解禁が求めているのは、経営陣と組合員が一体となった自己責任の確立です。

 従って、経営者と組合員の親密な信頼関係が協同組織の信組の原点である相互扶助を導き出すのではないでしょうか。いまこそ、同胞経済再生に向けて全同胞が一丸となって同胞系信組の支援に取り組むべきだと考えます。

(2002.10.16 民団新聞)
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