|
同胞保護者が運営 ボランティア教師ら支援 東京の「コリアタウン」、新大久保に韓国にルーツを持つ子どもたちが通う「チャプチョ(雑草)教室」がある。日本語の問題から学校の授業についていけない、あるいは不登校になっている子どもたちが、傷ついた心をそっといやす場所だ。「自分のルーツに誇りを持ち、たくましく生きてほしい」という新規定住のオモニたちの切実な願いを受けて誕生した。3月で開設から満2周年を迎える。 東京・新宿「コリアタウン」 教室は「文化センターアリラン」の居室を間借り。12年3月、7人の子どもたちを迎えてスタートした。韓国から来日して日本語が十分でない子がいれば、日本生まれで日本語が第一言語の子もいて、生い立ちや境遇もさまざまだ。ただ、親が日本語の勉強を教えられないこともあり、学習言語としての日本語が不十分な傾向にある。家に帰っても、両親は共働きで夜遅くまで不在のケースが多い。子どもたちにはなにより「居場所」が必要だった。 日本語が十分でない子どもたちには日本語の授業。このほか英語と数学(算数)を加えた3教科が基本だ。夕方5時から8時までの3時限制。現在は小学生から高校生まで10人が通う。講師は全員がボランティア。退職教師を中心に国際理解などを専攻する大学生・大学院生が交通費分として1日1000円をもらって指導にあたる。 指導はほぼマンツーマン態勢。ユニークなのは子どもたちに学習の無理強いはしないこと。そっと寄り添い、愚痴を聞くだけで1時間の授業が終わることも。子どもたち自ら学習しようという意欲が育つのを待つ。 「チャプチョ教室」という名称は子どもたち自らが命名した。踏まれても踏まれても生きていこうという前向きな気持ちが込められている。学校に通うのが嫌になったという子どもたちさえも、チャプチョ教室には喜んで通うという。 ある保護者は「チャプチョ教室がなかったら、息子は高校に通うのをとっくにやめていたでしょう。大学にも行ってなかったはず。ここがあってほんとうによかった」と喜んでいる。 「チャプチョ教室」は国際結婚で韓国から嫁ぎ、子育てに苦労していた林慶禧さん(54)が産みの親。林さんは日本社会で異質な存在として友だちからいじめにあう子どもたちの姿を目の当たりにしてきた。聞けば、ほかのオモニたちも悩みは同じだった。そんなオモニどうしが交流する場も必要だったという。 林さんに救いの手を差し伸べたのが新宿区立大久保小学校で日本語国際学級の教諭を務めたこともある善本幸夫さんだった。善本さんは退職した教師仲間に声をかけ、「チャプチョ教室」の基礎をつくった。 講師は現在11人。その中心となっている木川恭さんは元高校教師。木川さんは、「子どもたちと一緒に学習しながら、どういうところでつまづいているのかを発見し、サポートしている。学校でおとなしい子どもがここに来て元気を取り戻しているのを見るのがやりがいになっている」と述べた。 同じくボランティア講師の金朋央さん(コリアNGOセンター東京事務局長)は「昨年夏ごろから口コミで新たに通う子どもたちが増え始めた。勉強を教えてくださる講師を増員しなければならない」と話す。 (2014.1.29 民団新聞) |