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慶應義塾大学(東京・港区)で11日、公開シンポジウム「北朝鮮を多角的に読み解く」が開催された。韓国国際交流財団との共催。
米国人ジャーナリストで研究者でもあるロバート・ボイントンさん(ニューヨーク大学)が拉致問題をテーマとした『「招待所」という名の収容所』を出版したこときっかけに北韓問題に対する理解を深めようと、同大東アジア研究所現代韓国研究センターが著者をコメンテーターとして招いた。
「ジャーナリストがみる北朝鮮」と題した第1セッションでは、この問題に詳しい3人がパネリストとなって報告した。
16年まで計10回、現場での取材体験を持つ鴨下ひろみさん(フジテレビジョン)は、13年に張成沢氏を粛正してからというもの、年を追う毎に取材に対する規制が強まったと実感を語った。鴨下さんは「恐怖政治が始まり、幹部間の忠誠競走、密告が激化した」と見ている。
ソウル支局で8年間勤務したことがある毎日新聞の澤田克己さん(論説委員)は、「冷静な見方を忘れてはいけない」と圧力一辺倒になりがちな日本の対応に疑問を投げかけた。一方、世界日報の金ミンソさんは、「北韓は対話に応じても、核ミサイルの開発プログラムは放棄しないだろう。文在寅政権は難しい対応を迫られている」と指摘した。
最後にロバート・ボイントンさんが「北には圧力と対話の両方が必要だ。北が交渉の席に戻ってきたのは圧力のため。包囲網が崩れれば効力も弱まる」とコメントした。
第2セッションでは日本と北韓との関係史について意見を交わした。
(2018.1.17 民団新聞) |
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