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韓日中の子ども童話交流…10年後の追跡で成果くっきり |
日本の独立行政法人国立青少年教育振興機構が、2002年から実施している「日中韓子ども童話交流事業」に参加した日本人小学生の概ね10年後の実態を把握するために調査を行い、その結果をこのほど「日本人参加経験者に係る追跡調査報告書」にまとめた。
日本人参加者の23%が海外留学 他の国際交流にも参加25%…当時のメンバーと今も57%
2001年、21世紀を担う子どもの健全な育成を図ることを目的に、子どもの体験活動や読書活動を推進するため、超党派の国会議員で構成される「子どもの未来を考える議員連盟」の発意と尽力によって「こどもゆめ基金」が設置された。
この基金による子どもの体験活動や読書活動を普及・啓発する一環として、「日中韓国民交流年」にあたる02年に「日中韓こども童話交流事業」が企画、実施された。
韓国、日本、中国3カ国の小学生が一堂に会し、各国の絵本・童話を通じて読書の楽しみを知るとともに、一緒に語り合い、協力して世界に一つの絵本を創作することで、3カ国の文化の特徴や共通性、違いなどを知り、相互に友情を深めることを目的にしている。
また、交流の継続性と深化を図るため「参加経験者交流会」が行われている。当時の「日中韓子ども交流事業」を思い出すとともに、さまざまな経験を積んだ学生や社会人として東アジアの未来を担い、地球社会を共に支え合う仲間としての提案をまとめて発表する。
第9回(11年)から中国、韓国、日本での3カ国巡回開催となった。
追跡調査は、2000〜2006年に「日中韓子ども童話交流事業」に参加した小学校4年生、5年生、6年生(調査時は18歳から26歳)、192人のうち、172人を調査対象者とし、そのうち、56人(男性29人、女性27人)から調査票を回収した(回収率32・5%)。
調査内容は、1,国際交流事業への参加2,留学経験の有無3,進路への影響4,ボランティア活動への参加の項目で、同世代の青年との「体験の力」を比較する分析を行った。
まず、同事業参加者の25・0%が他の国際交流事業に参加している(1回は17・8%、2回以上は7・2%)。
また同事業参加者の23・2%が事業参加後、「海外留学をした(している)」と回答している。これは、日本人大学生全体の留学者の割合2・15%(2012年)と比べて大きく上回っていることから、同事業参加者は積極的に国際交流事業や留学などに参加していることが分かる。
同事業参加後、参加者の21・4%が、「参加した中国人や韓国人と交流を続けている」と回答。また、57・1%が、「日中韓子ども童話交流事業に一緒に参加した日本人と交流を継続している」と回答している。
性別に見ると、女性の方が男性よりも同事業参加後、「参加した中国人や韓国人と交流を続けている」及び「日中韓子ども童話交流事業に一緒に参加した日本人と交流を継続している」と回答した割合が高い。
同事業参加後、「進路に影響を受けた(受けている)」と回答したのは25・0%で、「将来または現在の職業に影響を受けた(受けている)」のは33・9%となった。
この追跡調査により、同事業参加者の現在の自尊感情や人間関係能力など「体験の力」が、同世代の青年と比べて高いことも判明している。国立青少年教育振興機構は、「参加した子どもたちには、未来に向かって東アジア地域を支え合う仲間になってほしいと願っている」と話している。
(2017.8.2 民団新聞) |
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