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統一問題への視点(4) 在日同胞の立場から
6・25韓国戦争時、北韓・中国の再攻勢でソウルから避難する子どもたち。ほとんどが親を戦災で失った孤児たちだ
「国家連合」と「連邦」(下)
リスク大きい高麗連邦制

戦争も「内乱」扱い
国際社会は介入が困難に

違いが際立つ外交と国防権

 韓国側が提示する「国家連合(南北連合)」の骨格は、▼南北首脳会談▼双方同数の南北閣僚会議▼双方同数の南北評議会▼南北共同事務所などによって構成され、南北統一総選挙の準備機構として設定されている。もちろん、南北は独自国家として国防権を含む国家主権を有し、それぞれの対外的な同盟関係は維持される。

 これに対し北韓の「高麗連邦制」は▼南北に同等の権限・義務を持つ地域政府を置き▼双方同数の代表と適当数の海外同胞代表で最高民族連邦会議を構成▼そのもとに連邦常設委員会を置いて南北地域政府を指導▼南北の軍を統合、単一の民族連合軍を組織し、連邦政府が統一的に指揮する‐などが骨子だ。そして、連邦はいかなる政治的・軍事的同盟やブロックにも加担しない中立国とされている。

 外交権と国防権で違いが際立つ。この点について91年、平壌で開催された列国議会同盟(IPU)総会で、北韓の尹基福統一政策審議委員長は、高麗連邦制方案に修正提議を行い、「地方政府に外交と国防権を付与する用意がある」と言明したことがある。高麗連邦制の3大柱である「連邦政府(常設委員会)」「連邦会議」「民族連合軍」を骨抜きにするものだ。

 国家の独占的な対外代表権である外交権も、国防権も持たない「連邦政府」の実態は、南北政府間の連絡協議機関の性格でしかない。これはまさに、6・15南北共同宣言に言うところの「南の連合制案」と共通性がある「緩やかな連邦制案」に当たるものと言えよう。

 こう見てくるとき、南北が国家主権を保つ「国家連合」までは、双方の公式または準公式的な見解として一致を見出したことになる。(もし仮に、北韓に核兵器がないとする条件であれば)国家連合は、軍縮を含めて分断関連費用を大幅に縮小でき、南北の資本と労働力、そして資源を有効に運用することで、東アジア経済にも大きく貢献できる。民族的に十分な利益が期待でき、国際社会からも厚い信頼を集めよう。しかし、それはあくまで可能性である。

 しかも、尹基福修正案は「用意がある」にとどまるものに過ぎない。高麗連邦制案はそのまま原案で生き続けている。この連邦制は統一総選挙を回避したまま、それをもって南北接合の最高形態とするものだ。たとえ、そこから統一へと発展するとしても、連邦は極めてリスクの高い制度と言わざるを得ない。

 権力構造の変動は、既存の体制による受益者の抵抗を受ける。単純化して想定して見よう。韓国の受益者層を中間層の下部を含めて、仮に7割とする。この7割は北韓の統治理念の統制下に入ることを求められるなら、当然拒否するであろう(3割の多くもそうするであろうが)。

 また、北韓の現状での受益層を下級単位組織の幹部を含めて2割とする。この2割も統合による体制再編によって、自分たちの地位が失われることになれば、やはり抵抗するだろう。パイの倍増という未来図が彼らをどこまで動かせるのかは定かでない。権力維持に積極的に参加してきた推定30万人の上級幹部層にとっては、死活にかかわる問題と意識されるはずだ。

形式的な統合戦乱をはらむ

 南北とその内部社会の矛盾が増幅する可能性を放置したまま、権力を形式的に統合すれば、利害対立や特定集団の野心によって混乱が引き起こされ、その混乱は戦乱に拡大しかねない。

 ここで、本連載2回目(4月16日付)に触れたイエメンのケースを想起したい。南北の平和的な統合で90年に誕生したイエメンは、旧南北の支配勢力が政権を対等に分け合った30カ月の暫定期間を経て94年、旧南北の支配勢力の間で内戦が勃発、統一イエメンは存続したものの社会的、経済的に甚大な損害と後遺症をもたらした。同じことが韓半島で起きればイエメンの比ではなく、その惨禍は6・25韓国戦争を上回るだろう。

 何より重要なのは軍事・安保である。それぞれ主権を持つ国家連合の場合、南北の対外的な同盟は維持され、韓国は米国に、北韓は中国によって守られる。だが、高麗連邦案では軍事同盟は破棄され、中立を宣言することになる。

 その高麗連邦では、南北の軍事組織はそれぞれの地域に駐屯し、連邦軍(民族連合軍)の統合司令部が形式的におかれるだけだ。統合司令部は無力であり、南北合わせて170万の軍隊を統制できない。1師団でも反乱を起こせば、壮絶な戦乱になる可能性は否定できない。

 主権を握る連邦の国家内部の戦乱は内戦であり、国際社会は容易に介入できない。戦乱勃発を杞憂に過ぎないと主張する向きもあろう。だが、そのような危険を考えずにすむような平和的な状況が生まれるならば、国家連合から南北統一総選挙に一挙に進むことができるはずであり、連邦制にこだわる根拠は自ずと失われると見るべきだ。

 米国は中央集権的な憲法を持つ連邦国家である。その憲法を激論のすえ採択したのは1787年であるにもかかわらず、社会的な等質化をともなう真正な連邦国家への発展は、それから約80年後の南北戦争によって、奴隷制を基盤とする南部の大土地所有制に対して北部の産業化勢力が勝利することによって可能だった。

第一の条件は社会の同質化

 韓半島南北を再統一するための内部的条件の第一は、二つの社会の同質化である。少なくとも、統合を果たそうとする意志によって、克服できる程度に差異が小さくなければならない。南北関係が現状のままだとしても、それに近づく努力は怠れず、連合もしくは連邦として南北接合が密接化すればするほど、その必要性は高まる。

 韓国はこの間、親北勢力の増殖や対北政策をめぐる南南葛藤に激しく揺れてきた。同質化のともなわない南北接合の進展は、南北の、特に南側の内部社会における矛盾を増幅させ、さらには北側による混乱拡大工作が展開されるものと見なければならない。

(2008.5.28 民団新聞)
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