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<社説>表面だけの「同胞和合」はいらない
 2月1日に開幕した青森アジア冬季競技大会の開会式で、韓国と北韓の選手団が合同で入場行進しました。沈黙を続けていた北韓側が開幕2日前に急きょ、韓国側に提案してきたものです。これにより00年のシドニー五輪、昨年の釜山アジア大会に続いて3回目の合同行進となりました。

 北韓側は「合同行進は南北人民のみならず、全世界に感動を与えた。友好的な雰囲気は今後も続くだろう」と話しています。

 これまでなら「大歓迎」となるところですが、今回は少し違います。本国でも、在日同胞社会でも反応は冷ややかです。今回の「合同行進」は、北韓側の政治的な意図があまりにも露骨すぎるからです。

 合同行進が実現したとはいえ、日本人拉致問題、核開発問題、脱北者問題など、最近の韓半島情勢を反映してか、本団と朝鮮総連が組織的に合同応援するまでには至りませんでした。

■真の共同作業実現を

 本団では過去何度となく、朝鮮総連に対し、交流事業や共同事業を提案してきました。そして、地域レベルの交流行事は何度か実現もしました。

 イデオロギーの違いはあれど、異国の地で同じ歴史的経緯を持つ同胞どうしであるからこそ、「在日」として抱える共通課題に共同対処しようと再三、呼びかけてきました。

 とくに、南北首脳会談が実現した2000年、朝鮮総連から提案があった「中央本部単位の協議機構」設置に対して具体的に対処していく為に▽交流と和合事業▽南北の平和定着と交流、統一への参与▽日本社会における共通した同胞の権益向上▽同胞の経済、社会、教育、文化事業―などを共同で解決する「分科委員会」の設置を提案しました。しかし、朝鮮総連からの返答は未だになく、進展が見られませんでした。

■共に生きていく立場で

 昨年のワールドカップを契機にここ数年の韓日交流によって、日本社会の「在日」に対する理解はかなり深まりました。それこそ私たちが半世紀以上かけて作り上げてきた信頼という財産なのです。

 しかし、その信頼も北韓と朝鮮総連の理解に苦しむ行動によって、一夜にして崩されようとしています。

 私たちは、民族主体性を持ちながら、地域社会の一員としてこの地で暮らしていきます。そのためには様々なハンディーを克服していくとともに、地域住民として引き続き貢献していかなければなりません。

 朝鮮総連は今こそ目を覚まし、日本人拉致問題や北送同胞問題など、不信感を抱かせたさまざまな行動に対し、明確な総括をすべきでしょう。

 そして、表面だけの「和合・交流」ではなく、実のある「共同作業」が実現できることを願います。

(2003.02.05 民団新聞)
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