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<訪ねてみたい韓国の駅26>漣川…京元線
高さ15メートルの給水塔と、きれに塗装し直されたミカ3形蒸気機関車
竣工60周年を迎えた漣川駅
100年の歴史を語り継ぐ
 ソウル近郊で懐かしい汽車の旅を味わえる京元線の旅。前回下車した新望里駅から線路沿いの通りを南へ、東豆川やソウルに近づくように歩いて行く。隣の漣川駅までは3キロほど。途中にはコンビニも何もなく、田畑と、その向こうに小高い山脈が見える。すぐ隣に線路があるので道に迷うこともない。少々車は多いが、暖かい時期ならちょうど良い散歩道だ。

 路線バスが追い越していった。京元線と同じ東豆川と新炭里を結ぶ39‐2番バスで、15分間隔で運行されている。鉄道は2時間に1本だから勝負にならない。もっとも、線路を走る鉄道の安心感は、他の交通機関では代えがたい。 40分ほどで市街地に入り、やがて漣川駅に到着した。漣川郡の中心駅で、赤いレンガ張りの駅舎が美しい。

 駅舎の隣は小さな公園になっており、古いコンクリートの塔がある。京元線に蒸気機関車が走っていた時代、機関車に水を供給した給水塔だ。その横には、蒸気機関車が保存展示されている。

 漣川駅が開業したのは今から100年あまり前、1914年のことだった。当時は日本が韓国を支配した悲しい時代。ソウル(京城)と元山を結んだ京元線は、京釜線や京義線に並ぶ主要幹線だった。

 蒸気機関車は、石炭を燃やして水を沸騰させ、蒸気の力で走る。韓半島を南北に行き交う列車は、ここ漣川駅で動力の源となる水を補給した。

 給水施設は、2つ保存されており、登録文化財45号に指定されている。四角い建物は貯水施設だ。ここに雨水などを貯めておき、ポンプで地上15メートルの給水塔へ送る。機関車がやってくると、給水管に水を流して、重力による水圧で機関車に給水する仕組みだ。塔内部には、そうした機器類も大切に保存されているという。

 2つの建物には、今も生々しい弾痕が残っている。韓国戦争の戦闘の跡だ。漣川は北緯38度線から10キロほど北に位置し、解放後いったんは北側の支配地域となった。1950年、韓国戦争が勃発すると、漣川駅はソ連製の戦車をはじめとする兵器や軍需物資が到着する拠点となる。ホームの向かいにある貨物ホームの残骸と、給水塔に残る弾痕は、ここが戦場だったことを今に伝えている。

 給水塔の隣で静かに保存されている蒸気機関車は、ミカ3形161号機。1940年に、今も鉄道車両メーカーとして有名な日本車輌で製造された。日本の蒸気機関車といえば、デゴイチことD51形が有名だが、その韓国版とも言える、貨物用主力機関車だった。特にこの161号機は、1981年から2年間、釜山・慶州間の観光列車を牽引した機関車で、引退後は京畿道儀旺市の鉄道博物館に保存展示されていた。長年、鉄道博物館の顔的存在だったが、昨年秋頃に、漣川へ移されたらしい。詳しい経緯はわからないが、それだけ漣川が鉄道史を語るうえで重要な場所ということだ。

 上り列車の発車時刻が近づいたので、駅舎に戻る。現在の駅舎が竣工したのは1958年。今年還暦、韓国式に言えば還甲を迎える。だが、給水塔や蒸気機関車に比べればまだまだ若造だ。

 ぱらぱらと、列車に乗る利用客が集まってきた。バスの方が本数が多く便利だが、鉄道派も多いようだ。

 漣川駅は、100年の歴史を静かに語り続けている。

栗原景(フォトライター)
 
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