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<社説>地方選挙権法案の今期国会成立を
 4月は日本の統一地方選挙が全国一斉に行われます。今回も永住資格をもつ外国籍住民が参加できないことは、非常に残念であります。

4月の統一地方選挙に際し

 統一地方選挙を契機に、永住外国籍住民の人権問題として地方選挙権付与に真剣に取組み、法の整備をはかるよう、私たちは各政党・各候補者、また各自治体にあらためて要求します。

 最近、北韓問題を口実に、一部で永住外国籍住民への地方選挙権付与に強い反対を唱えています。このことは、在日同胞の人権と、北韓問題をきちんと分けて考えない、日本の民主主義の脆弱な一面を露呈しています。

 昨今の外国籍住民排除を伴った民主主義の後退ぶりは、目に余るものがあります。その顕著な例が、文部科学省が国立大学入学資格付与対象から、アジア系外国人学校の卒業生を排除する方針を打ち出したことで、憂慮の念を禁じえません。

 地方選挙権法案の国会審議動向について言えば、この2年間審議が再開されておりません。アメリカのテロ事態以降、イラク危機、北韓の核・拉致問題などの有事関連法案、日本の長引く不況、議員の金銭に関わる不祥事問題などを理由に、国会審議はその都度後回しにされ、採決段階にまで至っているにもかかわらず、今日まで放置され、中断したままです。

「外国籍」排除の風潮危惧する

 このような世相を反映するかたちで、最近、外国籍住民への人権に配慮しない風潮が一部のマスメディアに横行していることに対し、強い危惧を覚えます。

 また、地方選挙権がほしければ帰化すべきだという、かたくなな帰化論が復活しています。国籍選択は個人の自由です。国籍を強要し、外国籍住民の人権を制限するものであってはなりません。国籍差別はもうやめるべきです。最高裁はすでに95年、「永住外国籍住民に地方選挙権を付与しても違憲ではない」との判断を下し、違憲論争に終止符を打つとともに、帰化論を抑止しているのです。

 最高裁判決に立脚して、日本の民主主義がめざすべき多文化共生と人権を保障する国際国家像を明示し、法の整備もすべきなのです。

 これを放置し、狭量なナショナリズムの流れに乗っている一部政治家やマスメディアの責任は大きいといわざるを得ません。

 一方で、1府13県25自治体で永住外国籍住民に住民投票権を付与しています。日本住民の考えは「この町に一緒に住んでいる住民なのだから、彼らに投票権があるのは当然のことと思う」という、ごく健全なものです。地方選挙権も全く同じ発想です。

 統一地方選挙を契機に、今期国会で地方選挙権法案を成立させるよう、私たちはかさねて強く求めます。

(2003.03.19 民団新聞)
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