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フィリピン、ベルギー、ブラジルなど一般永住者もエール
憲政記念館で
永住外国人への地方参政権付与を求める緊急市民集会が16日、東京・千代田区の憲政記念館で開かれた。集会には関東地区一円から在日韓国人を中心に600人余りが参加、席が足りず立ちっぱなしの人も出るほどの熱気だった。集会では在日韓国人ばかりか、フィリピン、ベルギー、ブラジルといった多様な国籍を持つ永住者も生活者の立場からその必要性を訴え、在日韓国人の地方参政権獲得運動にエールを送った。
かつて外国籍都民会議第1期委員を務めたこともあるフィリピン籍のオリビア赤津さんは、「差別なく私たちにも(地方自治体の選挙に投票できる)権利を与えるよう」訴えた。ベルギー国籍を持つデレウゼ・ピエレさんも、地方参政権を「住民としての権利」だと主張した。武蔵大学の准教授で教え子のゼミ生20人を伴って参加したアンジェロ・イシさんは、「ニューカマーたちのためにも(永住外国人の地方参政権を)実現させてほしい」と期待の言葉を述べた。
会場には各党から国会議員本人24人(別途、代理出席13人)、このほかにも都議、区議合わせて33人が激励に駆けつけた。公明党国会議員の斎藤鉄夫政務調査会長は、永住外国人への地方参政権付与について「真の構造改革の原点はここにある」と声を高く指摘し、民主党の円より子副代表は、「グローバル化社会を迎える日本のためにも大事」との考えを表明した。
共産党はすでに10年前に被選挙権を含む法案を国会に提出済み。いまだに採決されていない事態に、同党の出席議員からは、「国会としての責任が問われる」との声が聞かれた。社民党から福島瑞穂党首、新党日本の田中康夫代表も、それぞれ永住外国人の地方参政権実現へ決意を表明した。中でも都議会自民党の服部ゆくお議員は、「もう議論する段階は過ぎた。1日も早く実現しよう」と呼びかけた。
ゲストとして招かれた大川豊さん(大川興業総裁)と『オシムの言葉』著者でもあるジャーナリスト、木村元彦さんは、それぞれの立場と言葉で永住外国人の地方参政権付与の必要性を説き、会場の関心を集めた。
最後は青年会の先導でシュプレヒコールを叫んだ。
集会事務局を担った青年会中央本部の金宗洙会長は「地方参政権は在日韓国人だけでなく、日本で永住・定住しているさまざまな外国籍市民も望んでいることがわかった。彼らのためにも特別永住者が先頭に立って頑張らねば」と決意を新たにしていた。
集会は李明博大統領の訪日を機に地方参政権獲得運動にさらなる弾みを付けようと、青年会中央本部が民団地方参政権獲得専門委員会(柳時悦代表)と二つの市民団体に呼びかけた。
同様の集会は今年に入って、2月8日の院内討論会を皮切りに各地で続いている。この日の「緊急集会」は神奈川、大阪に続いて3番目の開催。会場外では右翼系の一部日本人市民による阻止行動が見られたが、大きな混乱はなかった。
(2008.4.30 民団新聞)
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