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訪ねてみたい韓国の駅<25>新望里…京元線 
ソウル近郊では非常に貴重となった小さな駅舎が現役
待合室はギャラリーとなり、普段はガラス越しに鑑賞できる
犂望の町瓩離潺鉾術館

 ソウルと、京畿道の白馬高地駅を結ぶ京元線は、魅力的な駅の宝庫だ。特に、東豆川駅以北の区間は、今も昔ながらのディーゼルカーが走っているローカル線。ソウルからソウルメトロ1号線の電車に1時間ほど揺られるだけで、旅情たっぷりの列車の旅を楽しめる。

 東豆川から30分余りの、新望里駅で降りてみた。1本だけのホームに、こぢんまりとした木造駅舎が待つ無人駅だ。京畿道漣川(ヨンチョン)郡の北部に位置し、周囲には民家と農地が点在している。こんなひなびた駅も、ソウル周辺ではすっかり貴重な存在となった。

 「新望里」という美しい駅名は、韓国の苦しい歴史を背負っている。韓国戦争の休戦から間もない1954年5月、アメリカ陸軍第7師団の敷地だったこの地に、避難民のための定住家屋100戸が設けられ、「ニューホープタウン」と名付けられた。3年にわたる悲惨な戦争によって、住む家を失った人、帰る町を無くした人々が、ここに集まり新しい生活を始めたのだ。人々が、この町に最初から希望を抱いたかはわからない。せめて、言葉は美しく……。そんな思いから、名付けられたに違いない。

 「ニューホープタウン」を直訳した新望里駅が開業したのは、2年後の1956年のことだ。小さな無人駅だったが、集落の人々は3キロ離れた漣川まででなくても、ソウルの龍山行きの列車に乗れるようになった。きっと、人々は今度こそ希望を抱いたことだろう。1964年には駅員配置駅に昇格。現在の駅舎もこの頃設置されたものと思われる。駅とともに、集落はソウル近郊の穏やかな農村として発展していった。

 1980年代までに、合理化によって再び無人駅となった新望里駅だが、昨年12月、この駅舎に「小さな美術館」がオープンした。地元漣川の美術協会に所属する作家と、美術を学んだ地域住民によるギャラリーで、待合室だったスペースに油絵や彫刻など20点あまりの作品が展示されている。平日のこの日は無人で、鍵がかけられたガラス越しの鑑賞となったが、毎週土・日曜の午後には、案内員が来て展示室に入れるほか、作品の説明を受けることができる。駅事務室は工房となっており、毎週土曜日には生活陶芸品の制作体験プログラムも実施しているそうだ。

 展示作品は、いかにも芸術家といった雰囲気の作品もあれば、なんとも素朴な作品もあり、なかなか楽しい。何十年も昔から使われてきた大型の鏡には、この駅を訪問した旅人たちのメッセージが書かれたカラフルな付箋が、たくさん貼られていた。

 駅舎から外に出ると、そこには雪の積もった田園風景が広がっていた。狭い路地を歩いていくと、小さな商店街に出た。今どきのコンビニなどは1軒もない。文房具店、薬局、なんでも屋さん……。学生の頃、初めて訪れた韓国で見た街角が、そこにあった。

 「お兄さん、こんなところで何を撮っているんだい」

 おばあさんに話しかけられた。土地柄、よそ者への警戒心があるのだろうか。駅は注目されても、町歩きを楽しむ人は少ないのかもしれない。鉄道が好きで、日本から来ましたと言うと、「わざわざありがとう」と笑顔になった。

 漣川の町までは、ここから3キロほど。漣川駅まで国道に沿って歩いてみよう。

(2018.3.7 民団新聞)
 
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