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鄭進・民団中央団長 第62回光復節慶祝辞
在日再編へ対応急務

民団理念前面に力量蓄積を
「真の光復」追求の一翼担おう

 親愛なる同胞のみなさん!

 62年前の今日、わが同胞は南と北も祖国の内と外をも分かつことなく、日本の植民地支配からの解放に歓喜し、新国家建設へ奮起しました。「静かな朝の国」と称された国土と「東洋の光」とも讃えられた豊かな民族性、さらには自力による近代化への芽を奪われた日帝強占期は、まさに暗黒の時代でありました。再び光を取り戻した感激は、いかばかりであったでしょうか。

 私たちは、その喜びと新国家建設への思いを忘れず、再び心深く期すためこの場に集いました。しかも今、南北両政府の樹立60周年を1年後に控え、分断史の長さを痛感させられる時点に立っています。先烈が闘い取ろうとした光復とは、あくまで民族を統合した国家建設であったことを想起するとき、真の光復のためにも祖国統一という歴史的使命が残されていることを、強く意識せざるを得ません。

同胞の生活に厳しい試練も

 韓国は世界11位の経済力を築き、国際社会で重きをなす国家に躍進しました。一方の北韓は、核や弾道ミサイルなど大量破壊兵器を開発する半面で、おびただしい餓死者を出すまでに国力を疲弊させてきました。しかし、南北関係は敵対一辺倒から交流・協力を深化させる時代に入っています。南北が対立の歴史を乗り越え、歩み寄るべきは歩み寄って、全民族と東北アジアの平和発展をともに目指すときです。

 祖国の情勢によって境遇が大きく左右される在日同胞にとって、それは切実な願いです。事実私たちは、60余年にわたって営々と築いてきた生活と人権の基盤が、北韓による日本人拉致事件をはじめ弾道ミサイルの発射や核実験など、平和と人権を踏みにじる暴挙によって、直接あるいは間接的に厳しい試練にさらされていることを肌で感じてきました。

 幸いにも、今月末に盧武鉉大統領が平壤を訪問し、金正日国防委員長と会談を開くことになりました。7年ぶり2回目の南北首脳会談が、北韓の核兵器廃棄と国際協調への姿勢転換につながり、統一を願うわが民族と平和を求める世界にとって実り多いものとなるよう期待するものです。

 同胞のみなさん!

 私は改めて、祖国解放と韓国の繁栄を導いた愛国・愛族烈士の遺志を継承する決意であることを表明するとともに、在日同胞社会を牽引する民団の団長として心から訴えます。

 祖国統一が現実的な段階に移行しつつある今日、統一国家を担保するのは何なのか。統一問題の進展に対応する在日同胞社会のあり方を示し、流動化現象を強めている在日社会を再編する基軸は何なのか。歴史のしがらみを超えて冷静に問うべきです。

統一への担保築いた国誇る

 残念ながら、分断の経緯や両政府の正当性をめぐって、激しい応酬が交錯する現状があります。これはすでに、韓国内のいわゆる「南南葛藤」として現れています。

 韓国ではこの間、北は親日派を清算した完全自主の国であるのに対し、南は親米派に衣替えした旧親日派が民族自主勢力を挫き、南だけの単独政権を樹立して分断を永久化させたとの言説が広く流布されてきました。これはまさに、国力とモラルにおいて韓国に大きく劣後する北韓を、南北関係において優位に立たせようとするものです。

 ここで重要なことは、ソ連が軍政を敷いた北部では、南北の政権が樹立される2年半先立つ46年初に、早くも一党独裁的な権力が構成され、独自の立法行為を通じて統治機構や法律など、現在の北韓の骨格が形成されていた厳然たる事実です。

 統一・独立という民族の本然的欲求に照らせば、北はもちろん南でさえ全的な祝福を受けた出帆ではありませんでした。しかし韓国は、民族の潜在力量を開発・伸張させて植民地時代の屈辱をそそぎ、全民族の将来を保障し得る国力を獲得しました。韓国はわが民族の国家として、その正当性をより確かなものにしたのです。その過程をともに歩んだ民団としても、これを誇りに思うものです。

 同胞の皆さん!

 私たちはまず、南北関係における韓国の正当性と、統一国家を政治・経済・文化の各分野で担保するのは韓国であるとの客観的事実に立ち、この認識のいっそうの普遍化に力を注ぐべきです。合わせて、総連を離脱する同胞が急増していることをにらみ、流動化する在日社会を再編していく基軸は民団であることを自負し、それを果敢に具現するだけの力量を蓄積しなければなりません。

 民団は、昨年の5・17事態克服以降、北韓の核を中心とする大量破壊兵器の廃絶と拉致事件の早期解決、元在日の脱北者支援を明確に掲げ、永住韓国人への再入国許可制度の適用免除に取り組むとともに、地方参政権獲得運動をより効果あらしめるべく推進体制の再構築を図ってきました。平和と人道・人権の尊重を第一義とする共生理念を高く掲げ、再び力強い前進を開始したのです。

 同時に、団員全世帯の戸別訪問と各種幹部研修をワンセットにした集中活動を展開し、意欲的で結束力のある活動者集団の育成と、周辺同胞の力量を掘り起こして吸収・統合する途上にあります。これに各地方本部が積極的に参与し、民団は目に見えて活性化してきました。危機のたびに示された民団の底力は今後、日常活動の現場でも発揮されていくものと信じます。

在日の特性を活かしてこそ

 親愛なる同胞の皆さん!

 民団は、多様な価値観と様々な経歴をもつ先輩たちが手を携え、特定の政治的な主張と一線を画す生活者団体として創立されました。そこには、祖国と居住国の狭間にある同胞たちにとって、唯一確実な支えは自らの共同体をおいて他にはないとの賢明な判断がありました。「普遍的な信義を尊重する国際人」であることを自覚し、「生活人の正しき信念」を貫こうとしたのです。この精神は、在日同胞組織の原点として今もみずみずしさを失っていません。

 歴史的背景を同じくする在日同胞は本来、祖国南北と居住国・日本に対して共通の利害に立てるだけでなく、より国際的な視野から発言することが可能です。生活者団体の立場を貫き通し、多文化共生社会の実現をリードする国際団体として重きを成す民団こそ、在日同胞の本然的な要求の唯一の求心体であると自認するものです。

 ひとりでも多くの同胞を民団理念のもとに結集させ、同胞の生活と人権を尊重する健全で活力ある在日社会を形成するとともに、真の光復を追求する一翼になることを同胞の皆さんと固く誓い合いたいと思います。

(2007.8.15 民団新聞)
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