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外国籍の司法修習生採用 国籍要件を削除
特例から原則に…最高裁 金敬得氏以来32年ぶり

 司法修習生の採用にあたって、最高裁が選考要項に記載してきた「国籍条項」を削除していたことがわかった。最高裁が77年3月、金敬得さんを韓国籍のまま司法修習生として採用したが、これは「特例」でしかなかった。これからは「特例」が「原則」に代わる。外国人の今後の司法参画を考えるうえで貴重な一歩となりそうだ。

司法参画拡大に期待

 新採用選考要項が適用されるのは、ロースクールを卒業して今年11月から修習を始める司法修習生から。採用選考要項を見ると、欠落事由の1項に掲げられていた「日本の国籍を有しない者(最高裁判所が相当と認めた者を除く)」という一文がなくなった。

 背景には外国人留学生が何人も司法試験に合格する時代となったのが大きいようだ。最高裁広報課でも「選考要項に国籍要項の記載があることで複数の日本国籍を有していない人たちから連絡を受けている」と認める。

 法令上、国籍要件の明文上の定めがあるわけではない。唯一裁判所法66条1項に「司法修習生は、司法試験に合格した者の中から最高裁判所がこれを命じる」と規定されているだけ。ただ、「公権力の行使や国家意思の形成に携わる公務員には日本国籍が必要」という内閣法制局の見解を準用しているにすぎない。金敬得さん(故人)が国籍の壁を破ってからは国籍要件を理由に司法修習生の採用を拒否された者もいないという。ただし、90年までは憲法と法律を遵守するという誓約書や保証書が要求されていた。

調停委員司法委員「排除は不合理」

 弁護士の李宇海さんは90年代初頭の司法修習生時代、かかる取り扱いは不合理だとして司法修習生の仲間から署名を集めて最高裁に提出したことがある。国籍要件撤廃については「あまりに当然。ようやく形式が整った」と話している。これに対して、最高裁広報課は「これまでも個別具体的に判断して採用しているだけで、特に取り扱いが変わったわけではない」と平静を装っている。

 最高裁は在日韓国人弁護士から多く要望が出されている家庭裁判所と地方裁判所の司法委員や調停委員の採用についても否定的だが、李宇海さんは「当事者間の紛争の話をまとめるだけなのに、『当然の法理』でなれないとなれば、整合性がとれない」と首をひねった。

 日弁連は今春、最高裁に「高い人格、識見があれば、国籍の有無にかかわらず役割を果たすことができる」との意見書を出している。

法治主義の否定先ず自己批判を
張学錬弁護士

 外国人にもともと出願資格がないのなら最初から司法試験も受験しないという選択がありうるが、すべての条件をクリアさせておいて、もともと出願資格がなかったんですよというのはまったく人を馬鹿にした話だ。

 こうした取り扱いには法律の根拠がなく、最高裁内部でも何らの規則などにも基づかずされてきたことであるから、最高裁自身が外国人の権利を制限することに法的根拠を不要と考えていたということ。これは法治主義の否定だ。今回、一切の自己批判も反省の弁もなくひっそりと資格制限を撤回したことからも、最高裁に人権観念がないことがさらに裏付けられた。

時代の変化に対応努力怠る
梁英子弁護士

 これだけのことに30年以上要したのは、日本の司法行政が時代の変化に対応する努力を怠ってきた事実を示している。人権の砦であるにもかかわらず、自らが直面する問題に対応できない最高裁の機能不全について日本国民はもっと危機感を持つべきだと改めて思う。最高裁は修習生の国籍条項について在日だけが問題であるかぎりは一切改めずにいたのであり、調停委員問題について対応を変える兆しとは思えないが、これを機会に外国人の司法参画について真剣に取り組んでほしい。

外国籍の調停委員選任も認めるべき
尹徹秀弁護士

 最高裁判所は少なくとも32年前に金敬得さんを韓国籍のまま司法修習生に採用して以降はこの国籍条項を削除すべきであった。最高裁は今になってこの条項を削除する理由を合理的に説明できないであろう。法律に基づかない、このようなあいまい、かつ、漠然とした法理で人権・権利を制約することは許されない。外国籍を有する者の調停委員の選任についても直ちに認めるべきである。

(2009.11.5 民団新聞)
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