|
若い書き手発掘したい 在日女性の文芸誌として、2006年に創刊された『地に舟をこげ』(在日女性文芸協会)の6号が先月、社会評論社から刊行された。 本書は在日2世で作家の高英梨さんが、「1世や2世の女たちの受苦の姿を、在日女性の等身大の声で記録したい」と創刊した。 長編小説のほか、随想、評論、紀行文、詩、短歌、コラム、写真、レシピなどを掲載している。作品を募集し、優れた作品に贈る「賞・地に舟をこげ」への応募も増える傾向にあるという。今号では母娘の対話を通して、2人の人生を綴った在日朝鮮人2世、梁裕河さんの受賞作「アリョン打令」を紹介している。 創刊号以来、「日本のどこかで一人ひそかに書き続けている書き手が必ずいると信じて、そうした表現者を発掘する努力を重ねてきた」と編集部は話す。だが20〜30代の若い世代との出会いが、なかなか得られないのが残念とも指摘する。 編集部では書き手のテーマや内容に干渉することはなく、「それぞれの書き手は、今自分の言いたいことを自由に表現し、それが誌面を作っている」。 これまでの執筆者の中には、深沢夏衣『夜の子供』(第23回新日本文学特別賞)、中村純『草の家族』(第37回横浜詩人会賞)、李美子『遙かな土手』(第14回福田正夫賞)、梁澄子『海を渡った朝鮮人海女』(金栄・共著、第8回山川菊栄賞)、金真須美『贋ダイヤを弔う』(第12回大阪女性文芸賞)、『メソッド』(第32回文芸賞)などが名を連ねる。 編集部は「在日女性たちの表現の場を提供し、共に修練し、文化の力を培い、より充実した誌面づくりを目指して、これまでと同じように地道に努力を続ける」と話す。 (2011.12.21 民団新聞) |