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<社説>「参政権」で共生社会を実現しよう
 日本国会で継続審議となっている永住外国人の地方選挙権法案はどうなっているのでしょう。
 先日、日韓・韓日議員連盟の合同総会が都内で開かれ、懸案のこの法案についてあらためて共同声明を発表しています。日本側は、「現在与野党間で合意を導き出すために努力しており、国会での実現のために積極的に努力する」と表明しています。

■不信感募る国会運営

 この間の法案の経緯を見ると、私たちには与野党が「努力」しているとはとても見えません。これ以上期待を裏切らないでほしい、というのが「住民」である私たちの率直な気持ちです。

 韓国側は、この問題が八年にかけて引き続き協議されてきたことを踏まえ、「次の国会で与野党一致で通過されるよう、日本側の格別な協力」を要請しました。私達も毎年のように、「次の国会での実現」を要望してきましたが、国会は私たち住民の期待を裏切っており、不信感は募るばかりです。

 ワールドカップ共催大会閉幕の次の日に行われた韓日首脳会談で、金大中大統領は小泉首相に、「地方参政権付与は在日韓国人の念願であり、この問題が実現されれば、韓国と日本の関係に寄与するものだ」、と日本側のより積極的な対応を要請しました。

 小泉首相は、「今、国会でいろいろと議論されているところだ」、とそれ以上の言及は避けました。

 永住外国人の地方参政権問題は、「住民」の権利の問題なのですが、帰化強要論や外国人排除論が横行しており、この問題を外国人住民の人権問題とは見ない「心の壁」が強く感じられ、私たちは残念でなりません。

■次期国会での可決望む

 アジアで最も民主主義が発展している日本において、国際化と共生社会の実現はまだ遠いのでしょうか。永住外国人の地方選挙権法案は、3年前の8月に初めて国会で審議され、一昨年の11月には参考人聴取も行われ、与野党の複数の幹部も言っているように、「採決の段階にまで来ている」情況です。

 しかし、その後今日まで2年近く審議が再開されていません。理由は採決せざるを得ないからです。採決になれば、最大与党の去就が注目されます。否決だけは避けなければなりません。日韓関係や与党間等に生じる懸念を憂慮するからだけではありません。

 与野党から提出されたこの法案の基本精神を台無しにしてはならないからです。日本国内の国際化という事が掛け声だけのものであり、外国人住民の人権を尊重し、同じ住民として認め共に生きるという、「共生社会の実現」が単なるスローガンに過ぎないことを内外に明らかにしてしまうからです。

 民主主義を後退させてはなりません。これ以上理不尽な差別をせず、次期国会でこの法案を一日も早く可決することを私たちは再度強く求めます。
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