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福島本部活動日誌 3月20〜29日

「全国民団と一体」を実感

 【20日(日)】仙台総領事館に、緊急車両証明書を受け取りに行く。仙台も物資は少ないようだ。事故原発から離れている分、マスクの人が少ない。帰路は久々に心が弾んだ。指定車両でしか通行できない地域が多い。これで充分に動ける。約束通り、17日に続いて中央対策本部が救援物資を届けてくれた。何よりガソリンはありがたい。

 【21日(月)】朝から雨。「福島民放」「福島民友」に、民団が開設した「在日韓国人・韓国人旅行者相談窓口」の案内が載った。国際交流協会から早くも、すべての避難所に案内をし、HPにはハングルで掲載するとの連絡。福島空港までアシアナ航空提供の救援物資を取りに行き、その足で須賀川、白石地区へ直行、6世帯の団員宅に水・食料を運んだ。いわき市にも行くつもりだったが、放射能レベルが上昇したため断念。

 【22日(火)】数日前から水道水も放射能が検出されている。いわき市の放射能レベルが下がった。何より安否確認だ。途中の海岸地域は津波で目を覆う惨状だ。同胞宅を訪ねて回った。

 乳児のいる家庭もあれば、妊婦もいる。ある老夫婦世帯は電話が通じなかった。訪ねるほかはない。玄関を数度叩くも反応がない。「いない」と思った時、人の気配を感じた。じっとしていたのだ。老夫婦は過去、ともに脳梗塞を患い、体が少し不自由だった。我われの顔を見て涙ぐむ。どんな気持ちでいたのだろうか。

 水が出ない地区もある。21時過ぎに計8世帯の予定訪問を終え、帰路に。本部まで2時間かかるが疲れを感じる余裕はない。中央対策本部から、明日、救援物資補給の連絡が入る。水・食料だけではない。トイレットペーパー、ミルク、女性用品などすべてが緊急物資だ。

 【23日(水)】原発問題があって県外避難の同胞もいる。安否確認は難航し、知恵の限りを尽くしてなお手詰まり感がある。そんななか、鄭進中央団長が激励に来てくれた。中央対策本部をはじめ全国の民団が支援してくれている。言葉では言い表せない感謝の心でいっぱいだ。本部の役員たちも新たな気持ちで奮い立った。

 【24日(木)】田村市、小野町の同胞6世帯に救援物資を運ぶ。婦人会中央の余玉善会長、金正秀仙台総領事が来訪。夕方、中央対策本部の救援隊が各地での任務を終え、福島本部に集結した。原発事故のなか、復興支援の思いを確認できたことが嬉しい。我われは決して孤立していない。

 【25日(金)】同胞の安否確認のため避難所を1カ所ずつ回る。成果はない。昨日から営業を開始したあすか信組が、外回り営業の際に安否確認の協力をしてくれる。情報を共有しあうことで効率が上がりそうだ。物資を本部に搬入する時も、あすかの職員が手伝ってくれる。支店長ら役職員の心意気に感謝。

 【26日(土)】浪江町の6世帯、南相馬市の2世帯は避難したままだが、相馬市の5世帯は戻ったとの情報。確認を急ぐ。浪江町の陳重男さんの母・辛永渉さん、妹の陳愛子さん2人の安否が確認された。ばらばらに避難し、郡山市で合流、賃貸アパートに落ち着いたとのこと。重男さん自身は千葉県に避難している。

 【27日(日)】引き続き国際交流協会にもお願いしているが、避難所にいる同胞の確認が進まない。浪江町の周基鐘さん一家9人の無事が分かった。郡山に避難していたのだ。朗報だ。

 中央対策本部が粉ミルクなど救援物資を届けてくれた。粉ミルクは赤ちゃんだけでなくお年寄りにも配る。食糧不足のなか貴重なカルシウム源だ。「MINDAN SUPPORT TEAM」とプリントされたジャンパーも持ってきてくれた。さっそく皆で着る。全国の民団と一つになった気分だ。組織部長の威勢のいいこと。

 【28日(月)】必要物資は刻々と変わる。保険による補償問題など、民団業務にも新たな課題が突きつけられる。しかし、団員への救援と安否確認を優先させていただく。

 きょうは相馬市3、南相馬市5世帯に救援物資を届けた。ここも6号線の東側はひどい状態だ。原発事故の影響が大きいこの地域では、一般の救援物資もなかなか入らない。同胞たちは涙を流しながら、私たちに心から感謝してくれる。こちらも涙ぐむ。

 【29日(火)】東京韓商からいわき市に大量の水と食料が届いた。食糧は福島本部にも。総出で会館に運び込む。水は明日到着とのこと。ここでは水は「いのちの水」だ。東京韓商の名誉会長の呉賛益さんがいわき市に1000万円を寄付したとの情報。

 放射能レベルが下がったこともあり、避難した同胞が少しずつ戻りつつある。それにつれ、安否情報も続々と入るようになった。郡山市内はガソリン不足が解消しつつある。街の明かりも灯り始めた。人々の心が落ち着いてきたように感じる。

(2011.4.6 民団新聞)
 

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