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<社説>地方参政権、無年金問題に視点を
 28日に衆議院議員選挙が告示され、日本は国政選挙戦に入りました。今回はマニフェスト(政権公約)選挙、政権交代選挙と言われ、これまでになく関心が高まっています。

日本衆院総選挙への関心

 私たち永住外国人には選挙権がありませんが、今回の選挙動向には特に関心を持たざるを得ません。なぜならば、私たちが地域社会の真の一員として求めていた「定住外国人の地方参政権法案」が議論の進展もないまま、またしても廃案に追い込まれたからです。また、私たちが長年求めてきました在日外国人の無年金者に対する救済措置の行方にも影響を及ぼすからです。

 衆議院解散が現実性をおびて以来、マスコミは各種世論調査を実施しました。その結果、今回の衆議院選挙での関心事は「年金・社会保障」が上位を占め、大きな争点になっています。

 私たちは、地域住民として納税などの社会的義務を果たしています。ですから、地域住民としての地方参政権と無年金状態の救済などの問題を解消してほしいと願ってきました。特に無年金救済は現在、深刻な問題と受け止めた一部の地方自治体が独自の福祉制度として「高齢者・障害者特別給付金」を支給しています。しかし、その数は全体の2割程度の自治体にとどまっています。そして、実施していない自治体は「無年金問題は国の責任で対処すべき」と異口同音に述べています。

無年金高齢・障害者の救済

 私たちはこれまで、無年金者の救済に対して、歴史的な背景をかんがみ、日本国民と同じ老後を保障すべきと訴えてきました。具体的には、国籍条項撤廃による82年の年金法改正時に無年金防止措置が施されなかったため、無年金のままでいる77歳以上の高齢者と41歳以上の障害者の救済です。

 さる8月、在日同胞障害者が障害基礎年金の支給を求めた訴訟で、京都地裁は「何らかの救済措置を講じることが望ましい」としながらも「外国籍者を排除したのは立法裁量の範囲」として訴えを退けました。この人たち以外にも、在日同胞高齢者が裁判に向け準備を進めていると聞きます。当事者である障害者や高齢者自身が問題解決に向けて司法に判断を委ねようとしているのです。社会的弱者である彼らをここまで追い込んで良いのでしょうか。

 地方参政権付与や無年金救済などの環境を整備することが、開かれた地域社会として永住外国人を真に迎え入れることになるのです。この度の選挙が、改めて日本の中で暮らしている永住外国人の問題に目を向けるきっかけになってほしいと願うだけです。

 自分たちの利害関係にある「年金・社会保障」やイラク、北韓問題には関心を持つ日本国民に対して、選挙の判断材料の一つとして同じ地域住民である私たち永住外国人の問題を加えてくれるよう積極的に訴えて行きましょう。

(2003.10.29 民団新聞)
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