| | 「村山談話の歴史的意義」について語る村山富市元首相 |
日本の過去の戦争・植民地支配など、いわゆる歴史認識問題に関する日本政府の公式的立場とされる「村山談話」が揺らいでいることに危機感を抱いた市民団体が25日、当事者の村山富市元首相(90)を招いて東京都内で特別講演会を開いた。村山首相は、「国際的に一つの定説となっている」と強調し、見直しの動きに釘を刺した。談話が発表されてから来年で20年となる。 会場となった明治大学前には「村山談話粉砕」を叫ぶ何台もの右翼街宣車が列をつくり、物々しい雰囲気。一方、会場は定員270人の教室に300人が詰めかけ、熱気に包まれた。上海、香港からも取材陣が訪れた。 村山元首相は談話の背景に触れ、「首相就任後、韓国や中国、東南アジア諸国を訪問した際、(日本が)過去の戦争について反省していないことに対し、不信感を持っていることを感じた。戦争への反省とけじめをつける必要があると痛切に感じていた」と明らかにした。 さらに、「個人が独断でつくった談話ではなく、閣議で決めたことに意義がある。歴代内閣は『村山談話』を継承すると言明してきた。談話を否定することは国際的なひんしゅくを買う。現実にそうなりつつある」とも述べた。 村山元首相は、旧日本軍の「慰安婦」強制動員を認め謝罪した「河野談話」にも触れ、「政府も軍も関与したのは間違いない」との見解を明らかにし、現政権が原則的には「継承する」姿勢にあることを歓迎した。 講演後、村山元首相と対談した政治評論家の森田実氏は、「戦争の残酷さをきちんと伝えたのは村山総理だけ。談話の真意が国民に伝われば、ミリタリズムに対する防波堤になる」とも強調。村山元首相に向かって「村山平和党(村山不戦党)をつくれ」と決意を迫ると、会場から大きな拍手が起きた。 主催者を代表して「村山談話を継承し発展させる会」の共同代表を務める浅野健一さん(同志社大学教授)は、「アジア太平洋の人たちといかに仲良くしていくのか。村山談話が出発点であり、どう発展させるかが課題となる」と語った。同じく長谷川和男さん(「国連人権勧告の実現を!実行委員会」)は、「村山談話、河野談話、そして宮沢談話を含めて世界の常識だ。歴史修正主義者がことごとくくつがえそうとしているが、国際世論に背を向けるもの」と述べた。 「村山談話」とは 「国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。あらめて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びを表明する」(要旨)。日本の敗戦から50年に当たる95年、閣議決定を経て発表された日本政府の公式見解。 (2014.5.28 民団新聞) |