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改革・前進への創意豊か 同胞の活力引き出す
建国60年本国と一体感…地域との協同も進む
多様化する追求テーマ
民団には、生活者団体としての存在証明とも言うべき基本的な事業があり、それぞれの時代が求める課題や同胞社会の当面の要請に応える新規の事業や運動がある。
それらの優先順位に変動はあっても、項目自体は減ることなく、年を重ねるごとに積み増しされ、民団が追求すべきテーマは多様化し、高度化してきた。
一方で民団は、年を追うごとに幹部・活動家の高齢化と漸減、深刻な財政不足などによる活動力量の低下に苦しんできた。
大阪移動展 ＤＶＤ完成
今年度は経費の削減が緊要な課題となり、大きな経費がともなう事業について、真剣に見直しが論議された。しかし、結局は今年も、基本の運動・事業を一つもおろそかにせず、むしろ新規事業の充実化に努め、合わせていくつかの短期事業をやり終えた。
新規事業の充実化では、開設３周年を迎えた在日韓人歴史資料館が初の移動展示である「大阪特別展」を成功させ、所蔵品の図録『写真で見る在日コリアンの100年』を発刊（12月25日）した。今年で２回目のＭＩＮＤＡＮ文化賞も、応募者・作品数とも大幅に伸ばしたほか、孝道賞エッセイ部門の受賞作品を『見えない贈り物（仮称）』として来年２月には出版する。
また、開設１周年と日が浅い「みんだん生活相談センター」も、相談件数が漸増し、悩み事を持つ同胞たちのサポーターとして頼れる存在になっている。
短期事業としてはまず、大韓民国の建国60周年に合わせ、本国への貢献を中心とした民団の歴史を動映像で綴ったＤＶＤ『ドキュメンタリー韓国民団』を完成させたことがある。これに関連して、民団が制作を後押しした本国への貢献史『母国とともに‐在日同胞100年の足跡』も出版された。
今年２月に焼失した南大門の早期復元を願う民団の募金活動も反響を呼び、誠金は約6000万円に達した。
23地方本部 結成60周年
建国60周年に加え、李明博新政府が出帆した今年は、本国関連を含め多彩で大規模な行事が続いた。参加者全員が青瓦台を訪れ、李大統領と懇談した全国幹部ソウル研修もその一つだ。23の民団地方本部が結成60周年を迎えたほか、地域協議会単位で建国60年を祝う韓日親善ゴルフ大会もあった。５回目のオリニ・ジャンボリーは活況を呈し、恒例の「10月のマダン」も各本部が地域密着の工夫を凝らして成功させている。
大胆な改革 準備も着々
08年は多忙ななかで一貫して追求されたテーマが二つあった。その第一は、建国60周年を迎えた大韓民国と民団の紐帯の歴史を再確認し、民団と本国政府の信頼関係を再構築したことだ。李大統領と鄭進団長の直接対話だけでも９回に及んだ。テーマは、民団が抱える地方参政権獲得などの課題や隘路克服、韓信協組合の保護・育成、在日同胞経済の活性化などだ。
第二は、昨年11月７日の5000人集会が成功した勢いをそのままに、地方参政権獲得を年初から力強く展開、議員583人（秘書含む）に直接面談し、総選挙をにらむ政局が混迷してからは、推進議員の躍進に向けた活動を水面下で続けた。
民団にとっての今年は、危機意識を負けん気と創意に変換し、後退を許さず、根気強く前進した１年と言える。財政基盤造成に課題を残したものの、規約改正や組織整備の論議を進め、大胆な改革への準備を重ねてもきた。これらは来年以降の民団活動につながっていこう。
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ソウルで幹部研修会
民団の08年度全国幹部研修会が10月５日から７日、ソウルに約200人が結集して開かれた。本国との紐帯強化と地方参政権獲得運動に全力傾注することを確認。６日には李大統領と親しく懇談した
在日韓人歴史資料館が大阪特別展（初の移動展示）。同館の開設３周年を記念した「大阪特別展‐在日100年の歴史を後世へ」が９月17日から10月５日まで、大阪人権博物館で開催され、多くの同胞や日本人の参観者が駆けつけた
オリニジャンボリーに500人。８月３日から７日にかけ、ソウルを中心に第５回オリニジャンボリーが開かれた。母国との絆、在日どうしの友情を育んだ
初のＭＩＮＤＡＮ文化賞
在日同胞社会の文化向上に資することを目的としたＭＩＮＤＡＮ文化賞の初の授与式が１月26日、韓国中央会館に約200人が参加して行われた。論文・詩歌・写真・孝道の４部門に401人が応募、47人が受賞した
盛況マダン
民団大阪・韓日交流マダンに１万2000人。大阪城公園「太陽の広場」で５月18日に開催され、国会議員や地方議員も数多く参加し、地方参政権獲得へ思いを新たにした。
民団中央団長杯オリニ・フットサル大会。体育会主催で２回目。全国から20チームが参加、男女の別なく熱戦を繰り広げた
中央組織学院が200期に。77年10月に開設された組織学院が５月27日に200期の修了者を送り出した。修了者総数は5911人
在日の貢献忘れない‐韓国で初の功績本出版。外交通商部傘下の在外同胞財団が６月、「母国とともに‐在日同胞100年の足跡」を刊行、在日同胞の大きな役割を再照明した
白頭学院・建国高から初の東大合格者。堺市在住の李太喜君（18）が現役で東大文科３類に合格、母校に初の栄誉をもたらした
李明博大統領訪日歓迎レセプション。第17代・李大統領の就任式に全国の民団団員ら約1000人が参加した。また、４月20日には都内のホテルで、韓日首脳会談のため初来日した李大統領の歓迎レセプションを開催した。全国から約420人が参席した
権哲賢駐日大使就任を歓迎。民団は６月18日、都内の会場に約200人が集うなか、４月に着任した権大使の歓迎会を開いた。大使は筑波大学に留学したこともある日本通で、同胞の懸案解決に全力を尽すと強調した
建国60周年を祝う
建国60周年を祝う第63回光復節中央式典が８月15日、東京・日比谷公会堂で開催され、約3000人の参加者が「韓国の建国精神と民族史的正統性を認識し、祖国の先進化に向け一致団結」することを誓った
代表団が要路訪問
鄭進団長を中心とする民団代表団は７月１日から４日にかけて、国務総理・政府各部処長官、各政党代表を訪問し、２日には青瓦台に李大統領を訪れ懇談、民団事業への協力と理解を求め、前向きな対応を確認した
参政権 粘り強く
参政権へ160人が国会に一斉陳情。民団は２月14日、「緊急全国地方団長・中央傘下団体長会議」を開き、議員583人（秘書含む）と面談、地域住民としての権利を付与するよう強く求めた
民主党が地方参政権推進議連。民主党は１月30日、「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」を発足させ、立法化に向け決意を表明した
民団、南大門復元へ５億8700万ウォン伝達。民団は２月に焼失した国宝第１号・南大門の早期復元を願い、団員や日本人から寄せられた誠金を10月20日、文化体育観光部の柳仁村長官の立会いのもと、文化遺産国民信託に伝達した
徴用犠牲者遺骨101体、60余年ぶりに祖国へ。第２次大戦中、日本の軍人・軍属として徴用され、死亡した同胞101人の遺骨が東京・目黒の祐天寺から祖国に帰り、国立「望郷の丘」で安らかな眠りについた
23地方本部が創団60周年を迎えた（写真は滋賀県本部の式典）
好評の民団ＤＶＤ
「ＤＶＤドキュメンタリー韓国民団」が好評。大韓民国の建国60周年に際し、祖国とともに歩んできた民団60余年の歴史をＤＶＤに編纂した。民団史を動映像でまとめたのは初めてとあって、好評を呼んでいる
脱北者支援民団センターが５周年。北送された元在日同胞の脱北者に対する社会適応教育、住宅・就職の斡旋を手がけるセンターが６月３日、５周年を迎えた。対象者は開設時の３倍、150人に。写真は健康診断
みんだん生活相談センターが１周年。同胞が抱える様々な生活上の問題に無料で相談・助言するセンターが７月17日、１周年を迎えた。月平均100件の相談が寄せられる
民族学校野球部から初めてプロに。京都国際高校の野球留学生・申成鉉君が10月30日のドラフト会議で、広島に４位指名を受けた
（2008.12.24 民団新聞）
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