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今国会提出めざす
「先送りは政治の怠慢」
永住外国人への地方参政権付与をめざす民主党の「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」(会長=岡田克也副代表)は20日の第3回総会で「永住外国人への地方選挙権付与に関する提言」をまとめた。議連は、「この問題をこれ以上先送りすることは、政治の怠慢といわざるを得ない」として、速やかな法整備を求め、来月15日に会期末を迎える今国会中の法案提出をめざしている。
提言は、「地方選挙権付与の対象」は「一般永住者と特別永住者の双方」としている。ただ、日本と外交関係すらない国の国籍の永住者をも対象者とすることには根強い慎重論があるとして、「当分の間」は外交関係のある国(日本政府の承認した国)の国籍を有する者もしくはこれに準ずる地域を出身地とする者としている。
「地方選挙権を付与する外国人は海外の日本人に同様の権利を認める国に限る」との相互主義については「外国の対応を前提としない」として採用しなかった。
「付与する参政権の範囲」は、「地方公共団体(都道府県および市町村)の議会および長の選挙権(地方選挙権)」としている。被選挙権については、「付与を頭から否定するものではないが、知事など公権力の直接的行使を伴う公務員に外国人が就任することについては、永住者であってもいまだに慎重論が強い」と説明。また、永住外国人への地方参政権付与に根強い慎重論があることも考慮の上、まずは選挙権(投票権)に限って付与し、直接請求権や公務就任権資格の付与については、今後必要に応じて検討するとした。
「地方参政権付与の方法」については、「国や地方公共団体による一方的な押し付けではなく、あくまで当事者の判断と選択によるべきである」として申請主義を採用。その要件は「日本国民の地方参政権と同様、20歳以上であって、かつ3カ月以上引き続き同一市町村の区域内に住所を有する者」と定めた。
推進議連は、今年1月30日の設立以来、参政権付与について改めて検討を重ね、慎重な立場をとる識者からのヒアリングを含め、10数回におよぶ公式・非公式の議論の末に、「地方選挙権を付与すべきである」との結論に達し、「日本における永住外国人の現状や参政権付与をめぐる過去の経緯なども踏まえながら、その具体案を示した」と強調している。
民主党は98年の結党時に策定した「基本政策」の中で「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と明記しており、同年10月に「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案」を公明党と共同提出。
さらに2000年6月には民主党単独で法案を再提出した。翌年7月の参院選では「地方参政権付与」を公約中に明記した。
(2008.5.28 民団新聞)
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