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<民団新年会>会場の声
出席者で埋まった民団中央の新年会
懸案打開へみなぎる意欲

 民団中央の08年新年会は、例年にないほど明るさと熱気に溢れた。李明博次期大統領と福田首相の間で、韓日関係改善の動きが活発化し、地方参政権問題でも進展期待が高い。半面、同胞経済は苦境にあり、各地民団の運営も厳しい状況にある。だが、新年会参加者は、それぞれの課題に真っ向から立ち向かう決意を新たにした。

「参政権」今年こそ
親しめる組織へ創意工夫

 国会会期中にもかかわらず、会場には衆参両院の国会議員が多数参席していた。民主党が参政権付与法案を提出するとの動きも伝えられている。参加者たちは自ずと、今年の筆頭集中課題として、参政権獲得を強く意識したようだ。

 民団東京本部の李時香団長は、「参政権は今年が正念場だと思う。新大統領の就任と韓日交流年を契機に、韓日交流の草の根運動を広げたい。それが参政権の下地になる」と述べ、「各支部の新年会でも組織的な取り組みと個々人の地域社会への働きかけを強化するよう発破をかける」と意気込みを見せた。

 静岡本部の金光敏団長は、昨年の朝鮮通信使400周年行事で地域の韓日親善ムードが高まったことを踏まえ、「静岡では来年3月の静岡富士山空港開港を機に、韓国からの観光客誘致に県をあげて取り組んでいる。今年は韓日観光交流年でもあり、地方参政権問題に慎重姿勢を取り続けている政治家に風穴を開けていきたい」と語った。

 広島本部の権五源団長も、「参政権問題では昨年の全国決起大会以来、団員の気持ちも盛り上がっている。民主党の動向にも多いに注目しているところだ。この勢いを大切にして、法案提出の道筋をつけるよう効果的な運動を展開すべきだ」と強調した。

 婦人会東京本部の金貞子会長も、「参政権の獲得には希望を持っている。昨年の全国決起大会以降、皆の気持ちがこれまで以上に強くなっている。実を結ぶ流れを作っていきたい」と決意を示した。

 「参政権では14年間も運動してきた。日本は今年こそ態度をはっきりさせて欲しい」と話すのは夫順末婦人会中央会長。「婦人会は長年、老人ホームなどを支援する活動を通して、地域社会に貢献してきた。日本人の多くは同胞たちが選挙権を持っていると思い込んでいる。政治家と市民との間に大きなギャップがある。地方参政権は人権の基本。今年も民団と歩調を合わせて行く」とも。

 一方、遊技業や飲食業など、サービス業を中心とした同胞経済が苦境にある。原油高が世界経済の足を引っ張り、日本経済も厳しさを増している。この日、新年会に先だって「レジャー産業健全化推進協会」が結成された。自ら遊技業の健全化を図りつつ、苦境を打開しようとする動きだ。ここには全国から経済活動関係者が参加したが、「多いに勇気づけられた。地元にも力強く、孤立しないで頑張ろうとメッセージをおくる」(権広島団長)という声が聞かれた。

 在日韓国人信用組合協会の洪俊一専務は「遊技業が極めて厳しい状況だ。韓信協は昨年12月、加盟信組の実務幹部を集めて対策会議を持ったが、この2月にも再度開催して、万全な対策を整えたい」と語り、「昨年は横浜商銀と北陸商銀が合併して、中央商銀が誕生した。生き残りのために合併をより強力に推進したい」と明らかにした。

 あすなろ信組の尹昌旭理事長は、「経済人のマインドが落ち込んでいる。顧客の存在と繁栄なしに、信組の存立はない。顧客の事業を応援するために、まず自らが身を削ってでも努力する。共栄精神を全役職員に徹底したい」と身を引き締めた。

 民団がそれぞれの地域で抱える諸問題についても、厳しい現状に屈することなく、前向きに対処しようとする姿勢がうかがえた。民団神奈川のある幹部は、支部の機能が弱体化していることに触れ、「活動者が少数化しても精鋭化することで、活動力の低下を防ぎたい」と語った。

 民団千葉本部の金豊成団長は、「どこの民団でも、団員の民団離れや財政問題が深刻だ。それを食い止めるために、恒例の行事を工夫してきっちりやることが大切だ」と言い、「たとえば昨年の8・15は海水浴場で実施し、地引網など家族で楽しめる内容にした結果、大盛況だった。今年は支部との連携をさらに強めて、『10月のマダン』など、同胞はもちろん日本人も参加しやすく、相互理解に役立つよう企画したい」と語る。

 民団北海道本部の金泰勲団長は今年、高校生を対象にした韓国語の通信教育を軌道に乗せることと合せて、「本部管下にある10カ所の民団会館を民族財産として保全するために、ウタリ協会のように社団法人化することを推進したい」との意欲を示した。

 今年は全国23の地方本部が結成60周年を迎える。そのひとつ埼玉本部の鄭平普団長は、「10月に実施する予定の記念式典に向けて、多くの人が参加しやすい雰囲気づくりに努めたい。新年会や花見、敬老会、10月のマダンなど恒例行事を含めて、いずれも60周年行事として展開するつもりだ。60年史も写真を中心に、誰もが読みやすい構成にする」と意気込んでいる。

 関東体育会の宋一烈会長は、「今年こそ、東京ドームのような大きな会場で、在日同胞やニューカマー、日本人のオリニたちが一堂に会する大運動会を開催したい」との構想を披瀝した。滋賀県から駆けつけた近江渡来人倶楽部の河炳俊代表は、「渡来人歴史館は2年目に入り、3月には多文化共生支援センターがスタートする。日本社会の歴史認識と閉鎖性を解く2大事業をより充実させたい」と強調した。

 経済状況は厳しくとも、それぞれの夢と直面した課題に、精一杯取り組もうとする同胞たちにとって、新年会は叱咤激励し合う場ともなった。

(2008.1.16 民団新聞)
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