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「国籍差別」に異議…全国で拡大する外国籍調停委員の採用拒否
当事者と国会議員、識者によるパネルディスカッション
 法律上の制限規定がないにも関わらず、外国籍調停委員の採用拒否が拡大している。日本弁護士連合会(略称、日弁連)は17日、東京・千代田区の弁護士会館で「外国人の司法参画」をテーマとするシンポジウム(同実行委員会)を開催、「最高裁が欠落事由とする内閣法制局見解はいくらでも恣意的解釈ができ、法治国家としての法体系と矛盾する」と見直しを求めた。日弁連がこのテーマでシンポジウムを開催したのは今回が初めて。

日弁連初のシンポ
「グローバル人材生かせ」


 調停委員とは家庭裁判所や簡易裁判所で民事もしくは離婚など家事の紛争に立ち会い、意見を述べるなどして和解に向けた裁判所の訴訟指揮を補助するもの。特別な資格など必要なく、社会人としての健全な良識のある人のなかから最高裁が選任する。国籍要件は必要とされていない。

 にもかかわらず、最高裁は各地の弁護士会が推薦する調停委員、司法委員、参与員の採用を拒否し続けてきた。日弁連の調べによれば、現時点で採用を拒否された人数は40人を超えている。

 梁英子弁護士は03年10月、神戸家庭裁判所の家事調停委員募集に「自分は調停が好き」と、兵庫県弁護士会からの推薦を受け入れた。だが、同家裁は梁さんが韓国籍のため、最高裁への上申をしなかった。その後もほぼ毎年のように推薦と拒否が繰り返されており、兵庫県弁護士会からの抗議は「年中行事」(梁弁護士)となっている。

 東京弁護士会から06年に司法委員の推薦を受けた殷勇基弁護士は「拒否されることは覚悟していた」という。かつて調停委員として推薦された経験があるからだ。ただし、応募用紙には国籍を記入する欄がなかったとして、「最高裁がどうやって(国籍を)調べているのか疑問だ」と述べた。

 岡山県の呉裕麻弁護士も11年に参与員として推薦を受けたが「すぐに拒否された」と明かした。

 03年から始まった外国籍調停委員の採用拒否が司法委員、参与員と拡大していることについて、日弁連は「看過できない事態」と2年前、「人権擁護委員会外国籍調停委員等採用問題プロジェクトチーム」を立ち上げた。

 プロジェクトチームの一員でシンポジウム実行委員を務めた趙學植弁護士は、台湾籍の大阪弁護士会会員が74〜88年、西淀川簡易裁判所の民事調停委員として活躍した事例を挙げ、「最高裁がこの14年間、外国籍の司法参画に門戸を閉ざしているのは先例に反した扱い」と指摘した。

 シンポで名城大学の近藤敦教授は「日本生まれの外国人が本来のグローバル人材だ。その多文化対応力を適材適所で使っていくべきであり、国籍で排除するなどもってのほか」と批判した。

(2017.11.29 民団新聞)
 
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