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韓国代表再起…アジアカップサッカー準優勝
起死回生の同点ゴールを決めた孫興民(中)
歓迎ムード一色の仁川国際空港

 サッカーのアジア・カップ決勝は1月31日、オーストラリアのシドニーで行われ、韓国は開催国オーストラリアに延長の末、1‐2で敗れ、準優勝に終わった。1960年大会以来、55年ぶりの優勝へあと一歩届かなかったが、チームが一丸となった意味は大きい。18年のロシアW杯に向け、「勝つサッカー」「堅固な守備」を描く「シュティーリケ・コリア」の可能性がふくらむ。

価値ある「一丸の闘魂」
実験的戦術 選手よみがえらす

 決勝戦に相応しい、両者譲らぬ名勝負となった。

優勝以上の価値

 韓国は前半44分、オーストラリアに今大会初失点となる先制ゴールを許した。敗色濃厚だった後半終了間際にエース、孫興民(独レバークーゼン)が起死回生のゴールで追いつき、延長戦に突入。勝利の女神が韓国に微笑むかと思われたが、延長前半ロスタイムにオーストラリアに決勝点となる追加点を奪われた。

 その後、韓国は得点チャンスを何度も作るがゴールに届かず敗れた。試合終了のホイッスルが鳴ると、選手たちはそのままグラウンドに倒れ込み悔し泣き。

 実に惜しい敗北だった。しかし、グラウンドで最善を尽くした選手たちの闘志と努力は、優勝以上の価値があった。

 スタンドに詰めかけた在豪州同胞を中心とする韓国応援団も敗北の悔しさを見せず、太極戦士たちの闘魂に大きな拍手を送った。また、試合終了後、韓国代表チームの公式フェイスブックなどにも太極戦士たちへの称賛メッセージが殺到した。

 「最後まであきらめず、粘り強く戦った選手たちに感動」「3年後のロシアW杯への希望が見えた」「韓国サッカーは確実に成長していく」など、ほとんどのファンが韓国サッカーに夢を託す内容だった。

監督人生の最後

 昨年、ブラジルW杯で惨敗し、韓国サッカーの危機論が起こった。代表チーム再生の指揮を執ることになったドイツ人のシュティーリケ監督(60)は、着々とチーム作りをした。

 シュティーリケ監督は昨年9月、李用秀サッカー協会技術委員長とロンドンで会い、韓国代表監督を受諾した。

 他の監督候補のほとんどが自国に滞在しながら代表チーム招集期間のみ韓国に来るという意思を表したのに対し、シュティーリケ監督はチームを優先、「妻と一緒に韓国に行く。私の指導者人生、最後の情熱を燃やし韓国を成長させる」と自分のサッカー哲学と所信、確固たる未来像を提示した。

 就任から5カ月で韓国をアジアカップ準優勝に導いた。スタイルも華麗な攻撃サッカーではなく、よくない状況でもどうにかして勝つ実用的なサッカーを見せ、ファンの関心を集めた。

 今大会、李青龍、具滋哲、朴柱昊など主力メンバーの負傷離脱で苦慮しながらも冷静に対応しながらメンバー采配し、5試合連続無失点の固い守りを作り上げた。また、初代表ながらも2得点を決めた李政浹のように新しい選手を発掘し、実験的な戦術を果敢に用いるなど、一つずつ代表を変化させていった。

 そして、その成果が今回のアジアカップで明らかになった。優勝は逃したものの、「勝つサッカー」「守備の固いサッカー」を描く「シュティーリケ・コリア」の第1段階は完成した。

帰国にファン殺到 歓呼

 1日夕方、準優勝した韓国代表を待ち受けようと、仁川国際空港の到着ロビーには多くのファンが詰めかけた。シュティーリケ監督を筆頭に選手たちがゲートを抜けて出てきた瞬間、ファンたちは熱い歓声を上げた。帰国歓迎会が行われた同ロビー横のミレニアムホール特設ステージ前も、一声かけようと、人だかりでごった返した。

 今回のアジアカップでは、これを最後に代表を引退する車ドゥリ(34)がチームの「長男」として、弟たちに闘志あふれる働きぶりを示した。

 今後、韓国サッカーを背負っていくエース、22歳の孫興民は「引退するドゥリ兄さんに優勝カップを持たせてあげたかった」と涙を流した。車ドゥリは「みんなが一つになった闘魂は優勝より価値ある財産」と、すがすがしさを見せた。

 シュティーリケ監督は「カップは手にできなかったが、われわれも王者にふさわしい戦いをした」と120分を戦い抜いた選手たちをたたえた。55年ぶりのアジアカップ奪還は逃したが、韓国にとっては大きな希望と感動を抱かせた大会だった。

 6月から2018ロシアW杯のアジア予選が始まる。今回の成果と課題を土台に、「シュティーリケ・コリア」は新たなチーム作りへ向かう。

(2015.2.4 民団新聞)
 

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