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<民論団論>青年ジャンボリー大結集喜ぶ
韓商連・直選理事
朴健市

組織活性の糧に 民団にとっても力の源泉

 在日韓国青年会は中央本部設立30周年を記念し、今月14日から17日までの日程でソウルを中心会場に「07青年ジャンボリー」を開催する。当初、500人規模を目指していたが、最終的には600人近くが結集する見込みという。青年会草創期のメンバーのひとりとして、その成功を大いに期待したい。

 青年会中央本部が結成された年のサマージャンボリーには、長野県を会場に全国から実数800人が參集した。今思い返してみても、地域社会や職場で埋もれがちな同胞青年たちが、全国から一堂に会して胸襟を開き合うことの魅力、同胞だから、若者だから持てるお互いの吸引力の強さに圧倒された思いがある。

顔を合わせて生む刺激・啓発

 青年会の現在の中心は、草創期メンバーの息子や娘たちの年代に当たる。ちょうどひと世代を経ての大規模な、しかもソウルでの結集は、30年前のサマージャンボリーに匹敵する意味を持つに違いない。

 電子ネットが全盛とはいっても、顔と顔を合わせ、同じひとつの場で呼吸し合う醍醐味にはかなわない。大規模な結集は、予想外の大きなエネルギーを生むものだ。参加者は当然、玉石混交であるはずだが、多くの人との触れ合いは自ずと刺激・啓発作用を働かせ、石を玉に変える揺りかごとなる。

 実は私も、500人の動員目標については「?」マークをつけていた。勤労青年がほとんどであり、しかも自営業よりは自由のきかない会社員が多くなっていること、ソウル開催の関係で費用も決して安くないこと、さらには、民団社会に青年会に対する関心がどれほどあるのか懐疑的だったことなど、いくつかの理由があった。

 だが、「?」は「!」に変わった。青年会キャラバン隊による全国の戸別訪問活動や民団の後押しのほか、各種のピーアール効果もあったであろう。何よりも大きな要因は、同胞青年たちの大規模な集まりを求める渇望がふくらみ、当の青年たちはもちろん、民団社会全体に広がっていたからではないか、と私には思える。

 青年会はこの間、歴史教科書問題や地方参政権問題でも、青年世代だからこそ将来の韓日関係を見据え、共生基盤を整えようとするスタンスで、センスの豊かな活動を続けてきた。しかし、青年会の構成員対象者は、絶対数において漸減しているのに加え、価値観の多様化でも先端を走っている。また、若年世代の無気力化とその半面におけるナショナリズムの高揚といった、日本社会の空気からも無縁ではない。組織力の将来に危機意識を強めてきた。

 全国から様々な境遇の青年に集まってもらい、思いっきり語らい合って自分の考えを伝え、相手の考えを知り、将来をともに歩む仲間意識を燃焼させたい、という思いは募っていたはずだ。30周年はその素晴らしいきっかけを提供してくれた。

 青年会はジャンボリーの成果を、既存地方組織の強化はもちろん、再建につなげていくだろう。民団はジャンボリーを支援するだけでなく、ジャンボリー参加者を青年会に定着させるうえでも、積極的な助力を忘れてはならない。

 先行き不透明な同胞社会にあって、民団にも組織力にかげりが見えている。漠然とした不安感が誰にもあるなかで、青年たちこそ同胞社会の力の源泉である、という真実に改めて思い至ったからこそ、親世代もジャンボリーに大きな期待を寄せてきたはずだ。少なくとも、私はそのひとりである。

青年会育成は永続的な命題

 青年会の育成は、一時代でも手抜きの許されない永続的なテーマだ。幼年から少年へ、少年から青年へ、細ったとは言え次々に送り出される人的な資源を受け入れ、組織化しなければ成り立たないのが青年会である。

 しかも、青年層にとって将来への希望と不安はコインの裏と表の関係にあり、就職、結婚、子育て、あるいは親の状況によって、人生が劇的に変化しやすい境遇にある。専従活動者を多く確保したとしても、運動の一貫性と組織力量の確保はそう簡単ではない。民団には自身の未来を支えるために、青年会をサポートする宿命がある。

 民団傘下にはかつて韓青・韓学同という青年・学生組織があった。しかし、韓青・韓学同は政治的に偏向し、民団破壊の先鋒に立ったことによって、傘下団体認定を取り消された。ここでは多くを述べられないが、民団史に照らせば青年会とは、民団自らが組織決定に基づいてつくった、初めての青年組織であることを、改めて想起すべきであろう。

 こう言うのも、自分なりの反省があるからだ。

 30年前の青年会サマージャンボリーは、民団社会から見て、民団青年運動の華々しい再建、いやむしろ新生を告げるものであったとさえ言えた。指紋押捺制度廃止など80年代の行政差別撤廃運動に、青年会はその力を余すところなく発揮し、民団の活動者にも多くの人材を輩出した。これは草創期メンバーの自尊心になっている。

民団社会の宝育てて行こう

 しかし、それはいつしかうぬぼれとなり、「俺たちにできたことが、お前たちにはなぜできない」といった態度で後輩たちに接してこなかったか。青年会草創期の民団は、「次代を担うのは君たちだ」という真心から、青年たちを大切にしたと思う。私たちは大切にされたことを忘れて、自分たちの華々しい時代の、いわば成功事例の一側面に寄りかかり過ぎてはいなかったか。口はばったいが、私たちには当時の民団が未熟な私たちに寄せていたような愛情を、青年会に対して注いでこなかったように思う。

 ジャンボリーという大結集による精神的な高揚はたとえ一時でも、そこで確認された仲間意識は人生の糧になる。そこに集まった青年たちを民団社会全体の宝として、愛情をもって大きく育ててもらいたいものである。

(2007.9.5 民団新聞)
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