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「当然の法理」を問う…外国籍弁護士の調停委員任用拒否・外国籍教員採用の「常勤講師」処遇
シンポの開催にあたって趣旨を説明する柳赫秀会長(左)
 「91年韓日法的地位に基づく協議の結果に関する覚書」が結ばれてから今年で25年。「覚書」で在日韓国人の法的地位、処遇の改善が図られたが、公務就任権をめぐっては「当然の法理」が依然、厚い壁となって立ちはだかっている。在日法律家協会(柳赫秀会長)は23日、在日外国籍弁護士の調停委員任用拒否と外国籍教員の「常勤講師」制度について考えるシンポジウムを東京都内で開き、早急に改善が急がれると訴えた。

「覚書」から25年 シンポ

 調停委員は民事の遺産相続など、家族間のもめごとで紛争当事者の間に入ってその主張を整理し、合意形成に努力する仕事。最高裁から任命される非常勤の公務員で、弁護士業の中では公益的活動の一つだ。採用にあたって日本国籍が必要との明文上規定はないが、最高裁は「当然の法理」を盾に日本国籍を有するものに限っている。

 2003年、兵庫県弁護士会が家庭裁判所へ家事調停委員として韓国籍の梁英子会員を推薦したところ、神戸家庭裁判所が任命上申を拒否したことで表面化。近畿弁護士連合会理事会は06年、「外国籍の調停委員採用を求めるプロジェクトチーム」を設置して毎年、最高裁に働きかけてきた。兵庫県弁護士会に至っては今年1月、怒りの大会決議を採択している。

 シンポで報告に立った近弁連所属の空野佳弘弁護士は、「法律を変える必要はないのに、最高裁がなぜこれほどまでかたくなな姿勢を崩さないのかは不明。国際法学会で取り上げてもらうなどいろいろな取り組みが必要。運動しない限り現状打開は無理」と強調した。

 第2セッションでは公立小中高の「常勤講師」制度について取り上げた。

 「覚書」の結果、文部省(当時)は外国籍教員の「常勤講師」としての採用の可能性を認めたが、教諭にはなれず、主任にも就けない。ここにも公の意思形成への参画にたずさわる公務員になるためには日本国籍が必要という「当然の法理」が厚い壁となって立ちはだかっている。大阪では「覚書」以前は教諭として採用されてきただけに、「2級教員」に格下げされた当事者の不満はいまもくすぶっている。報告に立った中島智子さん(プール学院大学名誉教授)は、「外国人には日本人を教えてほしくないという文部科学省の国民教育の論理が感じられる」と指摘した。

 兵庫県の現役の中学校教員で、08年に内定していた副主任からの格下げを受けるという屈辱を味わった経験のある韓裕治さんは、「常勤講師」という制約から生徒の成績評価もできないでいる。

 柳会長は「同じ試験を受けて採用されながら一方で教諭扱い、一方は常勤講師というのは理屈に合わない。おそまきながら実態調査が急がれる。国際法学会や人権法学会からの働きかけも必要だ」と呼びかけた。

(2016.7.27 民団新聞)
 
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